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富山の吹奏楽団に所属するTuba吹き。音楽を演奏するのも聴くのも好きな「no music no life」な人間。スピッツファン歴は12年。小心者でビビリながらも興味のあることは何でもやってみるタイプ。

「君の膵臓をたべたい」のあらすじと感想。住野よるは侮れない

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映画にもなっているし売れているし、感動できるんじゃないか。

そんな気持ちで読んだのが間違いでした。

 

誤解されるかもしれないけど、この作品を非難したいわけじゃありません。

むしろ逆であり、言葉に言い尽くせないほどの感動を覚えています。

 

  

作品のことはあまりよく知らなかったけれど、ヒロインが膵臓の病気にかかっているというのはテレビなどの情報から知っていたからラストにヒロインが病気で死ぬ恋愛物だと思って読み始めました。

 

全然違いました。この小説はそんな単純な話ではありません。

印象に残ったことは山ほどありますが、この物語のよさが少しでも伝わるように紹介していきます。

 

 

 

 「君の膵臓をたべたい」のあらすじ・概要

 

偶然、僕が病院で拾った1冊の文庫本。タイトルは「共病文庫」。
それはクラスメイトである山内桜良が綴っていた、秘密の日記帳だった。
そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。

 

病を患う彼女にさえ、平等につきつけられる残酷な現実。
【名前のない僕】と【日常のない彼女】が紡ぐ、終わりから始まる物語。
全ての予想を裏切る結末まで、一気読み必至! 

 

この小説は、作者の住野よるさんが小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿した作品がライトノベル作家の井藤きくさんの目に留まったことで出版社に紹介されたことで発売されました。

 

住野さんはこれが小説デビュー作です。

 

今年の7月に実写映画にもなり、2017年8月時点で累計200万部を超える大ベストセラー。

さらに2018年9月にアニメ映画化することも決定しています。

 

実写映画はアジアなどの10カ国でも配給されていて、中でも韓国では公開6日で観客数20万人を突破。

日本だけでなく、海外にも広まっている作品です。

 

 

主人公は本を読むのが好きでクラスでは目立たない存在であった”僕”。

 

名前はちゃんとありますが、物語の最後まではなんていう名前なのかが分かりません。

ヒントとはちょっと違いますが、よく似た名前の小説家が二人います。

 

 

膵臓に病気を抱えたヒロインは山内桜良(やまうちさくら)。

主人公とは真逆のタイプで誰とでも仲良くなれる明るさを持っていて、クラスの中心にいる人気者です。

 

こういうヒロインが病気の話って主人公が病気のことを知るのは物語の中盤くらいというのがよくある展開ですが、「君の膵臓をたべたい」では二人の出会いと桜良の病気のことを知るタイミングが同じです。

 

つまり主人公は病気のことを知った上で桜良と関わっていきます。

 

もうすぐ死ぬということは全然重たく描かれていなくて、桜良は「大学生になったらいっぱいお洒落するんだあ、なんつってもうすぐ死ぬんだけどさ」などと自分が死ぬことを自虐的なギャグのように言っています。

 

主人公は病気のことを知っているからまったく洒落になっていないと感じつつも、他人への興味が薄いためか日常会話のように軽く受け止めて桜良と会話をします。

 

ぼくはこの冗談めいた会話がなんだか好き。

 

桜良「私が死んだからって、私以外の女に手を出したら許さないわよ!」

主人公「ごめんね、君とは遊びなんだ」

うわははっと、彼女はいつもの豪快な笑い方をした。 

 

このことが桜良にとっては逆によく、主人公は病気で死ぬという真実を知りながら日常を一緒に過ごしてくれる唯一の存在になり、二人は関わりを深めていきます。

 

「君の膵臓をたべたい」の感想

桜良は膵臓の病気で死なない

桜良があまりにも明るく振舞っているから病気は全部ウソなんじゃないかと思ってしまいますが、膵臓の病気を抱えているのは本当です。

 

だから当然桜良は膵臓の病気で死ぬんだと思って読んでいました。

桜良は物語の中で死ぬんですが、それは膵臓の病気は全く関係がないんです。

 

 

この展開はまったく想像していなくて絶句しました。

伏線はあるにはあるんですが、誰もが膵臓の病気で死ぬと思って読んでいたはずです。

 

最終回の決まったドラマは、最終回までは終わらない。

打ち切りの決まった漫画は、打ち切りまでは終わらない。

最終章の予告があった映画は、最終章までは終わらない。

皆、それを信じて生きてきたはずだ。そう教えられてきたはずだ。

僕も、そう思っていた。

 

ぼくが絶句した理由は、全く想像していなかった展開だったということの他にもうひとつあります。

 

人はいつ死ぬか分かりません。

 

朝まで元気にしていた人がいきなり死んでしまうということはまったくめずらしいことではありません。

年齢に関係なく、突然死んでしまう可能性は誰にでもあります。

 

ぼくはそのことを分かっているつもりでした。

そして桜良は「膵臓の病気による死期が来るまでは死なない」と思っていました。

 

でもそうではありませんでした。

 

大きな病気をもっていようがいまいが人は突然死ぬ。

その現実を突きつけられたようでした。

 

桜良にとって「生きる」とは?

桜良は元気で明るくてクラスの人気者。

人付き合いをせず本を読んで過ごしている主人公とは真逆の人です。

 

桜良は人とのつながりを大切にしていました。

そんな彼女の周りにはいつも友達が集まっています。

 

「私の心があるのは、皆がいるから、私の体があるのは、皆が触ってくれるから。そうして形成された私は、今、生きてる。だから人が生きていることには意味があるんだよ。」

 

桜良は自分の親友にも病気のことを話していませんでした。

 

病気のことを知ればみんな日常を守ろうと取り繕う。桜良は友達と当たり前の時間を壊

さないために話さないことを選びました。

そしてなんにもないようにいつも笑っていました。

 

もしぼくが同じ立場にあったら、死がはっきりとした形をもって迫ってきている中でそんなことが出来るとは思えません。

とてつもない強さと優しさを持っています。

 

 

ぼくも主人公同様に人付き合いを避けて自己完結していた頃がありました。

今もそんなに上手ではないですが(^^;

 

だから主人公にはかなり感受移入してしまうし、ぼく自身も桜良の姿には読みながら惹かれていました。

 

「君の膵臓をたべたい」の意味

このタイトルを聞いてどんな印象を持ちますか?

なんだかグロテクスですよね、膵臓を食べたいなんて 笑

 

 

この言葉は主人公が桜良に向けた最後の言葉でもあります。

物語の最後にこの言葉が出てきてどういう意味なのか分かった時、「こんな素敵な言葉がこの世にあったのか」と思うくらい感動しました。

 

主人公と桜良の二人だけが言える言葉だし、二人の気持ちをこれ以上にあらわす言葉は他にないでしょう。

 

二人の関係は友達とか恋人とかそういう関係を超越しています。

 

 

この言葉を受け取った桜良がどんな気持ちだったのかは分かりません。

でも桜良の17年間の中で、1番幸せで救われた瞬間だったはずです。

 

実写映画の主題歌はミスチル

 実写映画の主題歌はミスチルが映画のために書き下ろした「himawari」です。

 

ミスチル桜井さんのコメントです。

 

この物語の中にある苦しい程の美しさ、強さ、優しさ、残酷さ
それらを包み込みながらも
更に拡がりを持って押し出していける、
そんな音を探して探して、やっとのこと辿り着いた曲は、
自分の想像を超え、また新しい力を与えてくれるものでした。
この映画に、物語に感謝です 

 

作者の住野さんはこのようにコメントしています。

 

 自分や自分の書いたお話がMr.childrenさんと関わる日が来るなんて思ってもみませんでした。映画にとって主題歌はもの凄く大事なものだと思います。たとえば映画に対する評価をひっくり返してしまうような重要性を持っているものではないかと。そんな主題歌に、今回Mr.Childrenさんが映画全体を包み込むようなスケールの楽曲を提供してくださったこと、本当に「君の膵臓をたべたい」は幸せだなと思っています。楽曲のタイトルが「himawari」、桜良(さくら)をヒロインとしたこのお話の主題歌に夏の花のタイトルがついていたことに想像を悠々と超えられた感覚があったのですが、それ以上に、桜が散ってもその先に足を踏み出さなくてはならない、主人公やこの映画を観た全ての人にとってとても重要な曲になると感じています。 

 

この曲は映画のために書き下ろされたもので、歌詞の内容も物語とリンクする言葉がいくつもあります。

 

「優しさの死に化粧で笑ってるように見せてる」とか「『全部嘘だよ』そう言って笑う君をまだ期待してるから」など、冒頭からリンクしまくってていきなり泣いてしまいそうです 

 

ぼくは映画を観てませんが、小説を読んでからでもこの曲を聴くと切なさが倍増します。

 

ちなみに何で桜良(さくら)がヒロインの作品に夏の花のタイトルがついている理由ですが、まずひとつは桜良がいなくなった後に次の季節に進んでいくという意味があります。

 

そしてもう一つはひまわりの花言葉にあります。

ひまわりの花言葉は『憧れ』『あなただけを見つめる』というもの。

 

まったくこれだからミスチルは。。。

完全に泣かしにきてるでしょ。恐ろしいバンドだ。。。

 

 

 

「君の膵臓をたべたい」はオーディオブックでも聴ける

9月にアニメ映画が公開されるのですが、実はもうすでに鈴村健一、堀江由衣といった人気声優によってオーディオブックになっています。

オーディオブックは「audiobook.jp」で発売されています。

 

 

オーディオブックは「耳で聴く本」で、人気声優やナレーターの方の朗読で本を聴くことができます。

スマホアプリを使って聴くことができるので、通勤の時や運動している時、家事をしているときなどいろんな場面で本を楽しめます。

 

twitter.com

 

 

アニメ映画になるのですが、正直言ってオーディオブックの完成度が高すぎるのでアニメがこれを超えられないような気がしてなりません。

君の膵臓を食べたいが好きならぜひ聴いてみてもらいたいです。

 

 

申し訳ありませんが商品ページに直接つなげられなかったので、以下のボタンからトップページにいってタイトルで検索してみてください。

購入に必要な無料会員登録もそこで出来ます。

 

【audiobook.jp】のトップページはこちら!

 

 

 

まとめ

 読み終えた今は喪失感があって悲しくてしょうがなく、こんな気持ちになるなら読まなければよかったと思います。

 

でも同時に読んでよかったという感謝の気持ちも感じていて不思議な気分です。

 

ベストセラーになるのも納得の一作。

読まないのは本当にもったいないのでぜひ読んでみてください!