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【大人気】アニメ『パリピ孔明』はハリウッド映画と同じ手法で作られている

2022年4月から放送中のアニメ『パリピ孔明』が人気を集めています。

アニメ放送前はそこまで注目されていなかったものの、いざ放送されるとその面白さから口コミが広がっていきました。

作画が綺麗なのはもちろんのこと、作中で流れる音楽も注目の対象。

特にYouTubeに公開されているノンクレジットオープニングは、2022年5月23日時点で800万回再生されています。

そんなパリピ孔明ですが、1〜2話を観ていると、ハリウッド映画で使われるとある手法と同じものを使っていることに気づきました。

この記事では『パリピ孔明』が人気となった要因のひとつである、ストーリー作りの手法について詳しく解説します。

アニメ『パリピ孔明』とハリウッド映画で使われている手法とは?

アニメ『パリピ孔明』では「ヒーローズ・ジャーニー」という手法が使われています。

「神話の法則」とも呼ばれており、世界中の神話を研究してきたジョゼフ・キャンベル氏が発見した理論です。

ざっくり言うと、以下の流れです。

主人公の周りで事件が起こり、それがきっかけで冒険に出る。さまざまな困難や試練を乗り越えて日常世界に戻ってくる。

スピルバーグといったハリウッド映画の巨匠も、この型に沿って映画を作っています。

上記のざっくりとした流れは、主に少年誌の漫画で見たことのある設定だと思いませんか?

実は日本だと『ワンピース』や『鬼滅の刃』でも使われている手法なのです。

また、ヒーローズ・ジャーニーは「ストーリーマーケティング」という、ビジネスシーンで有効な手法でもあります。

うまく活用すれば、効果的なプレゼンやコーチングにつなげられます。

ヒーローズ・ジャーニーを構成するステップ

ヒーローズ・ジャーニーは、以下12のステップによって構成されています。

  1. 平凡な日常:日常風景を描く
  2. 非日常への誘い:新たな旅立ちの誘い
  3. 非日常の拒絶:新たな旅立ちを拒む
  4. 師との出会い:アドバイスや助言をくれる存在と出会う
  5. 事件の始まり:非日常へと飛び込む
  6. 試練:数々の試練に直面する
  7. 危険な場所への接近:最も危険な場所に近づいていく
  8. 最大の危機:死の危険性や試練に立ち向かう
  9. 報酬:試練を通して報酬を手にする
  10. 帰路:報酬を持って帰路につく
  11. 復活:特別な体験から戻り、変化を実感する
  12. 日常への帰還:今までの日常生活に戻っていく

パリピ孔明の1〜2話は、上記の流れに沿って作られています。

多くの作品では長期的に取り入れられているため、初回2話まででまとめたことで、視聴者に強烈な印象を与えています。

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アニメ『パリピ孔明』1〜2話のヒーローズ・ジャーニーに沿ったストーリー展開

次は『パリピ孔明』の1〜2話がヒーローズ・ジャーニーにどう当てはまっているのか、あらすじ形式で解説します。

1. 平凡な日常:諸葛孔明、現代の渋谷に転生

ヒーローズ・ジャーニーにおいて、物語は特別なことは何も起きていない平凡な日常から始まります。

『パリピ孔明』の場合、西暦234年の中国・五丈原で死んだはずの主人公・諸葛孔明が、現代日本の渋谷に若い頃の姿で転生したところから始まります。

ハロウィンの真っ最中であることを除けば、特に事件も起きていない平凡な日常です。

なお、孔明はこの時点では現代に転生したことに気づいておらず、ハロウィンの光景も「ここが地獄なのですね」と考えていました。

2. 非日常への誘い・拒絶:渋谷ハロウィン参加者にクラブへ誘われる

物語の主人公が望む・望まないに関係なく、新たな旅立ちに向かうべき運命が訪れます。

『パリピ孔明』の場合、現代日本に転生したことも当てはまりますね。

孔明は中国で生きていたころの服を着ていますが、ハロウィンであったために「孔明のコスプレをしている」と認識されます。

2人の若者にやけに気に入られた孔明は、言われるがままクラブに連れて行かれます。
(地獄の刑だと思っていた)

3. 非日常の拒絶:連れてこられたクラブ「BB ラウンジ」の環境に対する抵抗感

主人公は、非日常への誘いに懐疑的であったり恐怖を感じたりしているため、非日常を拒絶しようとします。

ハロウィンに来ていた若者2人に「BB ラウンジ」というクラブに連れてこられた孔明ですが、クラブですので当然ながら大音量。

大音量も地獄の刑だと捉えており「死せる身とはいえこれはこたえます…!」と、耳を塞いでしまいます。

4. 師との出会い:「BB ラウンジ」で月見英子に出会う

未知の環境進む中で、主人公の運命を左右する師匠との出会いが訪れます。

師匠は主人公に対して、先に進むために必要なアドバイスを与えてくれる存在です。

孔明が大音量の先に目を凝らすと、そこにはもう1人の主人公である「月見英子(つきみえいこ)」が歌っている姿がありました。

英子の歌声を耳にした孔明はすっかり魅了されてしまい、大音量も一切苦痛ではなくなりました。

「私の歌なんて誰も聞いていなかった」と英子がバーテンダーに愚痴っていると、孔明が歌に感銘を受けたことを伝えにいきます。これが2人の最初の出会いです。

なお、ここからは英子も主人公として描かれていきます。

5. 事件の始まり:転生の事実を理解し、現代社会に急速に適応する

主人公が旅立ちを受け入れ、事件に関わっていく段階です。この時点を超えると、元の日常には戻れなくなります。

BB ラウンジで大量にお酒を飲んだ孔明は酔い潰れ、朝の渋谷で寝ていました。

そこにたまたま通りかかった英子が「このままだと凍死する」ということで、自宅に招き入れます。

そこで自分が1800年後の日本に転生したことを理解し、新たな人生を送ることを決めるのです。

英子に「スマホ」を始めとした現代のことを次々に質問していき、4時間がたつころにはブロックチェーンの存在を認識するほどになっていました 笑

また、英子の紹介で彼女自身も働くBB ラウンジでバイトを始め、バイト初日から高速でオーダーを捌く活躍ぶりを見せます。

こうして孔明は、あっという間に現代日本に適応しました。

6. 試練、仲間との出会い:孔明が英子の軍師(マネージャー)になることを決意

主人公がさまざまな試練にぶつかり、その過程で仲間や宿敵と出会っていきます。

孔明と英子はある程度打ち解けており、家庭の事情が複雑であることや歌い始めたきっかけ、歌をやめようかと思っていることを打ち明けます。

しかしここまでに3回英子の歌を聞いていた孔明は、その感動を多くの人に届けたいと考えるようになっていました。

そこで孔明は、英子の軍師(マネージャー)になる意志を伝えます。

孔明の言葉に涙を流した英子は、もう少しだけ歌を続けることを決意。第一話はここまでです。

7. 危険な場所への接近:クラブイベントに出演していた「ミア西表(いりおもて)」の楽屋に行く

主人公は最も困難な環境に立ち向かうため、危険な場所に近づいていきます。

自らに危険が及ぶことはわかっているものの、それを乗り越えないと目的を達成できません。

孔明と英子は、音楽の勉強も兼ねて、渋谷のクラブで行われる音楽イベントに参加します。

そのステージには、フォロワー10万人越えの人気アーティスト「ミア西表(いりおもて)」が出演していました。

イベントが終了したのち、何を思ったのか孔明は「ミアさんのファン」として英子と共にミアの楽屋を訪問します。

8. 最大の危機:ミアと同じ時間帯でクラブ出演が決まる

前述した最も危険な場所と向き合っている状況で、死の危険性に直面することも多い場面です。

ミアの楽屋を訪ねたことがきっかけで、英子は彼女が出演するイベントに出してもらえることになりました。

しかし、英子の出演時間はミアと同じ時間帯。ミアは知名度の低い英子を当て馬として使うことで、自分のステージが盛り上がっている演出をしようとしていたのです。

英子自身は「ミアがチャンスをくれた」と受け止めており、孔明に半ば冗談のつもりで以下の指令を出します。

軍師孔明に命ずる!

WAAARPのイベント…私のステージを満員にせよ!

この言葉を聞いたことで、ついに孔明が軍師として実力を発揮します。

9. 報酬:客席が満員になり、たくさんの人に歌を聞いてもらえる

最大の危機を乗り越えた主人公は、報酬を手に入れます。報酬は物理的なものに限らず、精神的なものであることも多いです。

知名度的にも圧倒的に不利な状況でしたが、孔明は「観客がステージの出口にたどり着けずフロアを一周し、トイレに行ってしまう」状況を作り出し、観客の足止めを図ります。

そして孔明が感じていた通り、英子の歌の実力は本物。足止めされた観客は英子の歌に魅了され、次第にステージは満員状態になっていきます。

それまでBB ラウンジで「誰も私の歌を聞いていない」と嘆いていた英子は、たくさんの人が自分の歌を聞いてくれている状況に喜びを感じていきます。

一方ミアのステージは、英子に観客をとられたことで閑古鳥が鳴く状態に。

孔明の策と英子の歌の力により、大逆転勝利をおさめるのでした。

10. 帰路:ライブ終了後、英子のフォロワーが急増する

最大の危機を乗り越えて手に入れた報酬を持ち、帰路につくタイミングです。

危険な場所から去っていくため、敵に追われている状況であることも多いです。

英子のステージは孔明の策の力もあり、その日のイベントで1番多く人を集めていました。

そのため、英子の歌を聞いた観客の多くが、英子のSNSをフォローします。

また、英子は孔明が何をしたのかわかっていませんが、自分のステージが満員になったのが孔明のおかげであることは理解していました。

つまり、この時点で孔明と英子は、パートナーとしての信頼関係も報酬として得ていたといえます。

11. 復活:フォロワーが一晩で1,000人を越え、英子呆然

主人公が特別な体験から戻り、自分が生まれ変わったことを実感する場面です。

イベント出演前まで208人だった英子のフォロワーは、たった一晩で1,000人を超えるまでに増加。

朝の渋谷で英子は、通知が止まらないスマホを握り呆然としていました。

12. 日常への帰還:朝日に向かって歩く2人の後ろ姿

さまざまな苦難を乗り越え、主人公が日常世界に戻ってくる場面です。

同じ世界ではあるものの、たくさんの教訓やスキル、経験を得て戻ってくるため、新たな次元に到達しています。

イベントで多くの観客を集め歌を聞いてもらった経験や1,000人越えのフォロワーを得た英子は、出演前と同じ状態ではありません。

大きな成果と信頼関係を得た2人は、朝日が昇る中日常に戻っていきます。

この朝日に向かって歩いていく2人の姿がまさに「日常への帰還」で、その点でもヒーローズ・ジャーニーに沿った場面といえるでしょう。

まとめ

今回は、アニメ『パリピ孔明』でヒーローズ・ジャーニーがどのように使われているかを解説しました。

初回2話まででうまく使われているのは、かなりすごいことです。

また『パリピ孔明』は、多くのアニメファンが見続けるかを判断する3話までは1話完結式で、4話から長編に入っているのも特徴。

『パリピ孔明』の製作陣には軍師がいるのでしょう 笑

全体を通して非常に面白いアニメですので、まだ未視聴の人はぜひ観てみてください!