
(公式サイトより)
こんにちは、リュウです。
今口コミで話題を読んでいる注目の映画『カメラを止めるな!』を観てきました。
さっそく映画の感想と面白さについて書いていきたいのですが・・・
ああ、困った。
こんなに面白いのに紹介するのが難しい映画は初めてです。
絶対に事前情報無しで見ろ
映画を観ようと思ったらまず何をするでしょうか?
やはりどんな映画なのかということを公式サイトなどで調べるでしょう。
しかしこの映画ではそれは絶対にやってはいけません。
なぜかというと、この映画はどんな映画なのかということを知った上で観てしまうと面白さが半減してしまいます。
理想であれば公式サイトに埋め込まれている予告動画なども観ないほうがいいです。
これは映画を観た人の多くが言っていることなのですが、幸運にもぼくは詳しく調べる前にこの情報を耳にしたので「とてつもなく話題になっている映画」ということしか知らない状態で観に行くことが出来ました。
だからもう、面白くてしょうがなかったです。
ちなみにこの内容については一切話せないのに観れば分かるというみんなの絶賛の仕方については、映画を観ていない人の中からこんな意見も出ています。
「飲み屋でたまたま居合わせたお客さんと『カメラを止めるな!』の話になったので、凄く気になってるけどまだタイミングが合わずに見れてない、と言ったんです。そしたら、『あちゃー』『うわわ。(シーッと口に人差し指をあてて)じゃ、この話はここまでってことで』とか、見てない人は語れない的な雰囲気になって。いや、ネタバレしてもいいですよ、前半はゾンビでその後はメイキングなんですよね? と返したら、『フフフ……』『いやいや……そうじゃないんです』とニヤニヤし始めて、なんだ、こいつら? と思いました」(30歳・酒類販売・男)
「グループLINEにおもむろに画像貼り付けて『感想を言い合おう』って投げ込んできて。見た? 見た見た。アガるよね? ね、そうだよね。って具合に、内容も何もないあ・うんの呼吸でタイムラインが埋め尽くされるのに腹が立つ。面白いの? って聞いても『ま、見ればわかるよ』で済まされる。いい大人なんだから、もう少しどんな作品かぐらい、言えないのかって思う」(32歳・フリーデザイナー・女)
観終えた今なら絶賛の仕方の意味がよく分かります。
ほんとに言えないんですよ、映画の面白さが台無しになってしまうから。
これはそういう作品なのです。
それにぼくたちだってこんなに面白い映画のことを詳しく話せなくてイライラしているんです。
だからウザいとか思わないで 笑
仮にどんな映画かを知った上で観ても面白いでしょう。
ですがやっぱりこの映画の本当の面白さは事前知識のない真っさらな状態で観てこそ味わえるものです。
ま、観れば分かるよ←
「カメラを止めるな!」のあらすじ(最小限)
それでもどんな映画なのかは気になるものでしょう。
だからここからは映画を楽しめなくならない範囲で映画のことを紹介していきます。
映画はとあるゾンビ映画を撮影している場面から始まります。
監督はこの作品にかなり賭けているらしく、主演女優・主演男優の演技に納得がいかないあまり42テイクも撮影して激しく怒りをぶつけます。
あまりに監督が感情的になっているので、スタッフが休憩を申し出て撮影は中断となります。
その休憩中、主演していた二人はメイク担当のスタッフから撮影しているこの場所が訳ありの場所であることを聞かされます。
それは表向きは浄水場として作られたけれども、その裏では死者を生き返らせる人体実験が行われていたというのです。
そんな会話をしていたころ、外で休憩していたスタッフが突然あらわれたゾンビに襲われて腕をもぎ取られた状態で殺されてしまいます。
殺されたスタッフもゾンビとなり、映画関係者に次々と襲い掛かってきます。
その現場に戻ってきた監督は目の前で起きている光景に興奮した様子。
逃げることもせず「カメラを止めるな!撮影を続ける」と指示し、自らも手に持ったカメラで撮影を始めます。
完全に狂った監督ですね 笑
「カメラを止めるな!」の感想(ここがスゴイ!)
300万の低予算、無名のキャストで撮影しているのに世界で絶賛
この映画は映画監督・俳優の養成スクールのENBUゼミナールによるシネマプロジェクトの第7弾となる作品です。
日本映画の平均的な予算は5000万ですが、「カメラを止めるな!」の予算は300万。
平均の約17分の1なので、かなりの低予算であることが分かりますね。
さらには出演している俳優も見たことも聞いたこともないような無名の人ばかり。
この映画はいわゆるB級映画に分類されるものです。
それにも関わらずこの映画は世界中で絶賛されています。
- イタリア「ウディネ・ファーイースト映画祭 2018」シルバーマルベリー(観客賞2位)
- ブラジル「ファンタスポア2018」インターナショナルコンペ部門・最優秀作品賞
- カナダ「第22回ファンタジア国際映画祭」審査員特別賞(SPECIAL MENTION)
さらには日本の辛口の映画レビューサイトでも高い評価を得るほど映画を観た人の評判が高く、口コミによって話題になっていきました。
2017年に計6回レイトショーで限定公開されるも連日午前中にはソールドアウト。
今年に入って都内2館で限定公開されるもこちらも満員続き。
上映が全国各地に広がっていき、都内2館だった上映館は今では124にまで増えて今後も順次上映が始まる予定です。
この勢いは『この世界の片隅に』がロングヒットを記録したときと似ています。
ただ『この世界の片隅に』は制作費をクラウドファンティングで募っていて、たくさんの人に応援されていた制作背景がありました。
ですが『カメラを止めるな!』はそんなことはありません。
この映画が口コミで広がっているのはただただ面白いというシンプルな理由です。
ゾンビ映画をワンカットで撮影している
このゾンビ映画の部分なのですが、途中で止めながら撮影しあとから編集でつなぐということはしていません。
最初からすべてワンカット・ノンストップで撮影が行われています。
カメラマンも出演者を追いかけながら撮影しているので、カメラはガクガクになっているところもあります。
しかしこれによって観ている側はまるでその現場にいるかのような錯覚をうけます。
もうひとつ忘れては行けないのがゾンビ映画には血や傷跡といった特殊メイクが必須だということ。
ゾンビが何体も出てきますが、このゾンビはもとは正常な人間だった出演者が映画の中でゾンビに変えられて襲いかかっています。
つまりワンカット撮影の最中の限られた時間の中でゾンビメイクをしているということです。
なんとも常識外れなやり方です。
こういうと「カメラを止めるな!」はゾンビ映画なのか?と思えてきますし、ぼくもそう思ってしまいましたがゾンビ映画ではありません。
むしろめちゃくめちゃ笑えるコメディ映画です。
ま、それも観れば分かるよ←
ゾンビ映画が37分に及ぶ前フリ
このゾンビ映画なのですが、観ていて不自然な要素がいくつもあります。
不自然な会話、不自然な動き、不自然な場面、不自然なセリフ・・・
とにかく不自然なところがいくつもあって観ていて「えっ、何これ??」となります。
これも詳しくは言えないのですがこの不自然な要素はすべて伏線になっていて、終盤に次々と回収されていきます。
伏線の回収が超気持ちいい!
終盤の流れがこの映画最大のポイントです。
またしても説明出来ないのが残念で仕方ないですが、この伏線の回収されていくところがとてつもなく面白い!
何が起こるか分かっているのに何が起こるか分からないというか・・・
映画を観たらぼくが何を言っているのか分かるはずです。
「カメラを止めるな!」のここがイマイチ・・・
この映画はとてつもなく面白い映画でしたが、全てがよかったわけではありません。
終盤の面白さを考えればどうでもよくなることではあるんですが、観ている時にかなり気になったので触れておきます。
中盤の展開がダルい
この映画は大きく分けると最初のゾンビ映画の部分を合わせて3つのパートに分けられています。
すべての伏線がつながって爆発する終盤は面白くてしょうがないのですが、中盤にあたる部分がこれといった見どころもなくてちょっとダラケています。
映画をすべて観た今ではこの部分の重要さは分かるのですが、それを考えても中盤の退屈さがもったいなく感じます。
気になったことはこれくらいですね。
あとはゾンビ映画だから血が出ていてそこそこグロいかもしれませんが、低予算だからか血もそんなにリアルじゃないので気にすることではないでしょう。
この面白さは二度と味わえない
とにかく面白い映画でした。
超痛快、超唸らされる、超笑える、超熱くなる。
映画だからこそ出来る手法で観るものを徹底的に楽しませてきます。
ぼくはすでにこの映画を観てしまったので、この面白さを味わうことは出来ません。
この面白さを味わえるのは何も知らずに観た最初の一回のみです。
まだあなたが映画を観ていないなら幸せなことです。
一日も早く映画館に足を運んで映画の面白さを体感してみてください!