稲盛和夫さんをご存知でしょうか?
京セラやDDI(現在のKDDI)を創った方です。
稲盛さんの書かれた本の「生き方」は10年以上売れ続け100万部を突破しています。
稲盛さんがどんな生き方をして、どうやって会社を経営していたのか?
それはだれもが知っているけど出来ていない当たり前の考えでした。
人生・仕事の結果を生むもの
人生や仕事の結果を生む要素はいったいなんでしょうか?
稲盛さんは人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力だと言っています。
重要なのはこの3つの要素は足し算ではなく掛け算だということ。
算数の掛け算では3つの数で計算していた場合、2つがプラスの数だったとしてもひとつがマイナスの数だったら、答えはマイナスの数になりますよね?
2×2×(-1)=-4というように。
能力があっても熱意がなければ結果はいい結果は出ません。
マイナスの要素がひとつあれば他の2つもマイナスになってしまいます。
1.考え方
3つの中でマイナスとなりうるのは考え方。
熱意と能力がどんなに優れていても考え方がマイナスだったら人生と仕事はマイナスの結果になってしまいます。いやー、恐ろしい。
つねに前向きで建設的であること。感謝の心をもち、みんなといっしょに歩もうという協調性を有していること。明るく肯定的であること。善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心をもっていること。努力を惜しまないこと。足るを知り、利己的でなく、強欲ではないことなどです。
正しい考え方とはこのようなもの。
難しいものではなく人として当たり前の考え方です。
稲盛さんはこれを頭で理解するだけでなく体の奥までしみ込ませ、血肉にしなければいけないと語っています。
分かっているだけでは全然甘いんですね。。。
経営指針は単純な原理原則
27歳で京セラを立ち上げた稲盛さんは経営に関しては素人。それでも毎日重要な決断をしなければなりませんでした。
そんなとき稲盛さんが判断基準にしたのが人として当たり前の価値観。
これにしたがって経営をやることで迷うことなく決断でき、成功につながったと稲盛さんは語っています。
嘘をついてはいけない、人に迷惑をかけてはいけない、正直であれ、欲張ってはならない、自分のことばかりを考えてはならないなど、だれもが子どものころ、親や先生から教わった ー そして大人になるにつれて忘れてしまう - 単純な規範を、そのまま経営の指針に据え、守るべき判断基準としたのです。
だれもが知っている当たり前のことですが「私はしっかりやれている!」と言い切れる人はほとんどいないでしょう。
当たり前だけど実行するのが難しいことをやり続けたことで稲盛さんは大きな成果を出したのです。
利他の心を持つ
利他とは自分のことより他人のことを思いやる気持ちのこと。さっきの人として当たり前の価値観の中にも自分のことばかり考えてはいけないというものがありましたね。
人はどうしても自分のことを最優先に考えてしまいます。しかし自分のことばかり考えていてはよい人生にはなりません。
他人のことを考え、時には自分が損をすることも必要です。
DDIが携帯電話事業を始めようとしたとき、大きな問題が出てきました。もう一社が参入に名乗りを上げたのです。
周波数の関係でNTT以外は同じ地域で営業が出来ません。収益を考えれば首都圏での営業をしたいですが、DDIともう一社のどちらかが首都圏をあきらめなければいけません。
なかなか話がまとまりませんでしたが、このままでは移動体通信事業が日本に根付かないと考えた稲盛さんは最も大きな市場である首都圏と中部圏を譲って他の地域で事業を始めることにしました。
わざわざ不利な条件をとって事業を始めましたが、大きく業績を伸ばしたのはDDIのほうでした。現在ではauとなって大手三社のひとつになっています。
稲盛さんは自分の利益ではなくこれからの日本のことを考えて自分が損をする判断をしましたが、結果的にそれが自分の利益につながりました。
利他の心をもってやったことは自分によい結果となって返ってくるのです。
2.熱意
望むような結果を得たければ叶えばいいな、とか叶えたいくらいの気持ちでは実現しません。寝てもさめても思い続けるくらい強烈に思い続けなければいけません。
熱意=思いといってもいいでしょう。
人はセルフイメージどおりの行動をしています。自分のことを人見知りだと思っている人が社交的にふるまうことなんて出来ません。人見知りだと思っているから人見知りなんです。誰もが自分の思い通りの人生を送っているんです。
「思うとおりにならないのが人生だ」と考えているから、そのとおりの結果を呼び寄せているだけのことで、その限りでは、思うようにならない人生も、じつはその人が思ったとおりになっているといえます。
だから今の自分を変えたいと思ったならなりたい自分を強くイメージし、自分はそうなれるんだと信じて行動をしなければいけません。それが出来れば思うような結果が得られます。
そもそも、こうありたいと願うこと自体、それを現実にする力が潜在的に備わっている証拠です。人間は素質や能力がないことを、あまりしたいとは思わないものです。
3.能力
京セラにもこれまで、優秀で利発な人間がたくさん入社してきましたが、そういう人に限って、この会社には将来がないと辞めていきました。したがって残ったのは、あまり気の利かない、平凡で、転職する才覚もない鈍な人材ということになる。しかし、その鈍な人材が十年後、二十年後には各部署の幹部となりリーダーとなっていく。そういう例もずいぶん見てきました。
彼らのような平凡な人材を非凡に変えたものは何か。一つのことを飽きずに黙々と努める力、いわば今日一日を懸命に生きる力です。また、その一日を積み重ねいていく継続の力です。すなわち継続が平凡を非凡に買えたのです。
本を読んでいる限り、その人がもともと持っている能力は関係ないんだと思います。
正しい考えと強烈な熱意。
この2つをもって行動していれば能力は後からついてくるものだと感じました。
実際稲盛さんは経営のことをまったく知らない、いわば経営の能力がない状態でした。
しかし強い熱意をもって正しい考えに基づいて経営していたことで、京セラとDDIは大きな成長を遂げました。
これは後から能力がついてきた結果ではないでしょうか?
人生・仕事の結果=考え×熱意×能力 の掛け算の中で一番引き上げられるのが能力です。考えと熱意しだいでいくらでもカバーできます。
まとめ
自分の思いが結果を生む種となる。最近言われる引き寄せの法則と同じだと思いました。
必要なのは正しい考えと強い熱意、そして継続!ぼくもがんばります。