こんにちは、スピッツファン歴12年のリュウです。
シングル曲を聴いて興味をもって他の曲も聴いてみたら、「こんなのも歌っているの?」と驚いた経験はないでしょうか?
アルバム曲、カップリング曲にこそアーティストの本質が出ているものです。
もちろんスピッツも例外ではありません。
今回紹介するのはカップリング曲の「SUGINAMI MELODY」という曲です。
スギナミメロディ、と読みます。
スピッツの曲の中でもかなりきれいなメロディで、カントリー調の曲です。
ぼくはこの曲を聴いていると生まれたばかりの赤ちゃんがニコニコしているのを見つめている光景が浮かんできます。
つまりこの曲は新しい命の誕生と、その先の人生を歌った曲です。
「飽きることなく回る風車」とは?
眠る野良猫 人は旅人
鮮やかによみがえる青いメロディ
泣いた次の日 生まれる笑顔
飽きることなく回る風車よ
曲はこの歌詞から始まっていて、曲の中で三回同じ歌詞で歌われています。
だからこの歌詞が曲の中でもきわめて重要な部分です。
「飽きることなく回る風車よ」という歌詞があります。
”ふうしゃ”、ではなく”かざぐるま”です。
この曲の最後に歌われる歌詞でもあるので、特に強調したい部分なんでしょう。
スピッツの歌詞にはよく丸いものや回転するものが登場します。
一例をあげるなら月、メリーゴーランド、くす球などです。
スピッツにおいて”丸いもの”が出てくる時は「輪廻」の比喩表現であることが多いです。
風車は風で回して遊ぶおもちゃなので、「SUGINAMI MELODY」でも輪廻の比喩として使われています。
でもなぜ風車なんでしょう?
風車は幼児用のおもちゃですが、赤ちゃん用のおもちゃとして使われる場合もあります。
だから赤ちゃん用のおもちゃとして近くにつけられていることをあらわすのでしょうが、スピッツの歌詞で回るものは輪廻の比喩です。
輪廻とは”霊魂が転々と他の生を受けて、生まれ変わり死に変わりする”ことです。
その輪廻をあらわす風車が出てくるということは輪廻を新しい命(赤ちゃん)の誕生に着目して表現している歌ということです。
さらに「鮮やかに蘇る青いメロディ」という歌詞。
青いは「未熟な」という意味でも使われるので、なつかしさを感じていることが読み取れます。
これはいったいどういうことなんでしょうか?
あの人の名前のような正夢を探す
あの人の名前のような
正夢を探しながら
長い並木道 木漏れ日を浴びて
歩き始める
この歌詞のなかで一番気になるのは「あの人」という言葉です。
恋人、夫婦などの関係で相手のことをあの人なんていうことはありません。
この言葉が意味するのはもう届くことのない人だということです。
子供が生まれているのに届くことのない存在になっているということは・・・亡くなったということです。
でもその悲しみをまだ乗り越えられていなくて、その人のことをまだ夢に見る。
どんな別れがあろうと、生きている限り人生は続きます。
「長い並木道」が人生の歩み、かすかな希望を抱いていることを「木漏れ日を浴びて」という歌詞があらわしています。
希望は生まれた子どもなのかもしれません。
子どもはどこかしら親に似るものなので、亡くなった相手を子どもに重ねているとも読み取れます。
先ほどの「青いメロディ」という歌詞は、赤ちゃんに亡くなった相手の面影を感じてなつかしいような悲しいような気持ちになっていることなんじゃないでしょうか。
「SUGINAMI MELODY」のまとめ
歌詞の意味を考えたら思いのほか悲しい曲になってしまいました。
ただ曲としては切ないながらも明るさもあるので、あくまで希望に目を向けた曲だと思っています。
ぼくはこんな解釈でこの曲を聴いています。
他の解釈もよければ聞かせてください!








