こんにちは
ミスチルファン歴9年のリュウです。
ついに3年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム『重力と呼吸』が発売になりました。
ぼく自身このアルバムには大きな期待を寄せていました。
その理由はボーカル・桜井さんのこのコメントにあります。
桜井和寿は「最高のアルバムが出来ました!!」とコメントし、「『Mr.Childrenを聴いて音楽をはじめました』と話してくれる若手のミュージシャンがこのアルバムを聴いたら、音楽をやめたくなるような、また、もう僕らを目標にするなんて思わないくらい圧倒的な音にしたいと、熱い気持ちでアルバム制作に向かいました。で、その通りの音になっていると思います」と続けた。
『若手が聴いたら目標にしようと思わなくなる音』
ミスチルはこれを目指して今回のアルバムを作り始め、そしてその通りの音になったと断言しています。
桜井さんがここまではっきり言うのはめずらしい。
収録曲は以下の10曲。
- Your Song
- 海にて、心は裸になりたがる
- SINGLES
- here comes my love
- 箱庭
- addiction
- day by day(愛犬クルの物語)
- 秋がくれた切符
- himawari
- 皮膚呼吸
ちょっと少ないですが、新曲が7曲あるので内容としては十分でしょう
ちなみに配信はなく、CDのみの発売となっています。
ぼくは配信があるものだと思っていたところ発売前日にCDだけの発売だと知って、あわててフラゲしてきました
で、聴いてみた感想はというと・・・
こいつは凄え。。。
とにかくすべての曲のクオリティがずば抜けて高い。
シングル曲は3曲だけですが、どの曲をシングルとして出しても売れそうです。
そんな曲が10曲も続くのだから、余韻にひたる暇すら与えてくれません。
王道かつ唯一無二。
紛れもなくミスチルにしかできない圧倒的な音楽です。
なんてアルバムを作るんだ!
こんなのミュージシャンが聴いたら冗談じゃなく本当に音楽を辞めてしまいたくなるレベルです。
日本音楽界を潰すつもりなんでしょうか?
信じられないですがこのアルバムを聴いていると、ミスチルの全盛期って今なんじゃないかと思えてきます。
まさかこんなアルバムだなんて。。。
良さを少しでも伝わるように1曲ずつ感想を書いていきます。
Contents
Your song

先にshort ver.が公開されていましたが、アルバム発売後に全曲版が公開。
冒頭の掛け声はMVだけかと思ってたんですが曲でもありました。
ふとした瞬間に同じこと考えたりして
また時には同じ歌を口ずさんでたりして
そんな偶然が今日の僕には何よりも大きな意味を持ってる
そう君じゃなきゃ
君じゃなきゃ
好きな人と過ごしてきた今日までの時間、そして今この瞬間のことを何よりも愛おしく思っていることが感じられる歌詞です。
イントロの桜井さんが声を張り上げ叫んでいるところは、この先の未来に対する思いが込められているのかもしれません。
歌詞自体は割りとよくある内容ですが、キラキラしててどことなく儚げな雰囲気もあるメロディがこの曲をさらに輝かせています。
1曲目というよりはアルバムラストに収録されそうな曲からアルバムが始まるということも驚きですが、まだまだ驚くのは早いです。
これからこのレベルの曲がずっと続きます。
海にて、心は裸になりたがる
桜井さんの歌い出しと共に始まるベースがシンプルだけどかっこいい!
ミスチルがこういうリズムパターンをやることないので、この曲が一味違う曲だという予感を感じてワクワクさせられました。
そのまま聴き進めていくとバンドの音が炸裂して一気にロックな曲調に。
タイトルからして少ししっとりしたような曲かと思っていたらロックな曲だったので、大変興奮しました 笑
最近のミスチルはポップだと思ってたんですが、ちゃんとロックバンドなんですね←
重箱の隅をつつく人
その揚げ足をとろうとしてる人
画面の表層に軽く触れて
似たような毒を吐く
この歌詞からはあらゆる人がSNSで繋がり、誰かの批判も口にしている現代のネット社会を連想しました。
便利な暮らしになっている一方、SNS疲れなどで消耗しやすくもなっています。
『心が裸になりたがる』というのはそういった現代の苦しみからすべて解放された毒気のない真っさらな状態じゃないでしょうか。
SINGLES

これまたロックでかっこいいな!
ライブでやるとかなり映えそうですし、もしかしたらレパートリーになっていくかもしれません。
曲を聴いてるとなんとなく東京の町並みが浮かんできてて、なんでかと思ったら冒頭の歌詞に『東京タワーの向こうに虹がかかって』という歌詞があるせいですね。
他に東京を連想させる言葉はないので、たったこれだけの歌詞で曲の情景を浮かび上がらせているところはさすがです。
やや寂しさを感じているような歌詞にたいして曲はロック。
脆さと力強さが両立した曲です。
here comes my love
ドラマ「隣の家族は青く見える」の主題歌になった曲。
イントロがピアノで始まるからピアノを中心としたバラードかと思いきや、分厚いバンドの音が入ってきて曲の雰囲気が一変。
初めて聴いたときはタイトルからは想像もつかない曲のスケール感に圧倒されました。
詩としても楽しめるレベルの歌詞に加え、聴き手の感情を揺さぶるメロディ、オーケストラでも聴いてるのかと思うほどの音圧。
これを超えるバラードはしばらく出る気がしないほど圧倒的な完成度です。
上手く言えないけどすごすぎます。
なんでこんな曲が作れるんでしょう・・・?
箱庭
ミスチルは5分を超える曲が多いですが、アルバムの中に1曲は3分くらいの短めの曲が収録されます。
今回のアルバムで言うとこの曲。
ちょうど真ん中の5曲目なので、ここまでの超大作並の曲の箸休めみたいなところもあるかもしれません。
ただそんな短い曲だということを忘れてしまいそうなほど、いろんなものが詰め込まれた曲です。
きっと僕が考えていた以上に
小さな箱庭で僕は生きてる
誰かのための愛じゃなく
誰のための恋じゃなく
不器用なまでに僕はただ 君を大好きでした
曲調は明るいですが失恋の曲です。
箱庭っていうのは今も失恋を引きづっている今の自分が、箱庭の中の人形のようだということでしょう。
個人的には『君を大好きでした』って歌詞が好きです。
『好きだった』『愛してた』とかじゃなく、丁寧語で『大好きでした』と言っているあたりがいじらしくてたまりません 笑
addicrion
イントロからしてこれまた今までの曲にないパターン。
『kind of love』くらい初期のミスチルを彷彿とさせるコードでありつつも新しい進化を感じさせます。
今日は我慢できても
また手を出してしまうだろう
決して満足なんか出来ないよ
more more more!
『もう もう もう』って言っているのかと思っていたら歌詞には『more more more』となっていて、韻を踏んだ歌詞だったようです
ミスチルはわざとらしさがなく自然に韻を踏んでくるあたりがうまいですね。
day by day(愛犬クルの物語)
『愛犬クルの物語』という副題がついているから可愛らしい感じの曲だと思っていたら、重低音がよく響くロックな曲でした。
このタイトルでロックなのですから、今回のアルバムは今までのミスチルとはまったく違いますね。
愛犬クルは行儀よく主人を慕う
どんな時だって嬉しそうにその尻尾を振る
um 彼の顔なんて上手くないだろう?
扉開くたび 駆け寄り舐めている
タイトルのとおり、とある家で飼われている犬の”クル”のことを歌った曲です。
クルが主人と幸せに暮らしている日々をテーマにしているかと思いきや・・・
So day by day
And day by day
今もなお帰りを待っているの?
あれ、これってどうなんだろう。
もしかしてクルは取り残されてしまった?
だとしたら実は物凄く悲しい曲なのかも。。。
秋がくれた切符
4曲目の『here comes my love』から久しぶりにバラード曲が来ました。
時折聞こえるピアノの音がいいアクセントを生んでいます。
ここまで予想と違う曲調や変化をする曲が多かったですが、この曲は・・・?
はい、さすがに変わりませんでした 笑
ミスチル王道のメロディのシンプルなバラードです。
ただなんでしょうね、シンプルな中にも一味違う深みがあるような。。。
「感動した!」っていうよりは「いい曲だな・・・!」って思わせてくるというか。
そのへんは聴いて確かめてみてください←
himawari
実写映画『君の膵臓をたべたい』通称”キミスイ”の主題歌になった曲。
この曲について強く訴えたいのは主題歌として完璧であるということ。
歌詞が作品に完全にリンクしています。
優しさの死に化粧で
笑ってるように見せてる
君の覚悟が分かりすぎるから
僕はそっと手を振るだけ
作品を見た人なら分かりますが、歌い出しのこの歌詞からもう作品の場面が浮かんできます。
ぼくは『君の膵臓をたべたい』の小説を読んで号泣してて大好きな作品なので、この曲を聴くたび涙が出そうになります。
1番好きなのはこの歌詞です。
そんな君に僕は恋してた
『君の膵臓をたべたい』では主人公とヒロインは、お互いに「憧れていた」ということは認めつつも「好き」とは一言も言わないのです。
二人の関係的にそれが言えないのは分かりますが、それでもここがもどかしく感じます。
そこも作品の良さではあるんですが。
しかしこの曲でははっきりと『恋してた』と言っています。
ずっと言ってほしかった言葉を歌詞にしてくれたことと、『言わなかったけどやっぱりそうなんだろうな』って思いで嬉しくなりました。
あとは作者の住野よるさんが言っていたのですが、桜良(さくら)がヒロインの物語の主題歌に夏の花のタイトルをつけるあたりは想像を有に超えられた感覚がありますね。
この曲だけでも素晴らしいですが、『君の膵臓をたべたい』と合わせて聴くと感動は倍増します。
ぼくはアルバムで聴いてまた泣きました。
皮膚呼吸
ミスチルのアルバムの最後の曲は人生を表現したようなスケールの大きい曲が多いですが、この曲もそうでした。
息を吸うのは生きることに直結しますから、『皮膚呼吸』とは体全身で生を実感しているということでしょう。
ミスチルのよくあるバラードのように思えますが、歪んだギターの音が随所に出て来るあたりに音のこだわりを感じます。
6分を超える大作ですが、聴いてみるとそんな長い曲だとは思えずあっさり聴けていまいます。
だからちょっとラストとしては物足りなさもあるかも。。。
国民的バンドの底はまだ見えない
ミスチルは今年でデビューから26年。
普通なら曲のクオリティが一定になるといいますか、大幅に変わることはないものです。
ですがこのアルバムは違います。
26年を迎えてもなお守りに入ることはなく変化し続けていく、それこそ「ヒットチャートにドロップキック 」することをやめない姿勢があらわれています。
もしかしたらぼくたちはまだミスチルの秘めているポテンシャルをまだ理解していないのかもしれません。
どこまで行くつもりなんでしょうか。。。
これからのミスチルを楽しみにさせてくれる傑作アルバム。
オススメです!