音楽

【全曲感想・レビュー】RADWIMPS最新アルバム「ANTI ANTI GENERATION」はRADの未来を感じさせてくれる傑作だ

こんにちは、RADファン歴10年のリュウです。

人気ロックバンド・RADWIMPS(ラッドウィンプス)の最新アルバム「ANTI ANTI GENERATION」が2018年12月12日に発売になりました。

RADのアルバムは「アルトコロニーの定理」からずっと発売と同時に聴いていますが、毎回まったく違う一面を見せてきて、ひとつとして似たアルバムがありません。

そして今回はなんとなくですが、今までと比べてもかなり大きな変化をしているんじゃないかと想像が膨らみました。

アルバムはRADの新たな進化を感じさせる期待通りの出来栄えで、今後への期待を一層煽ってくる一作でした。

個人的にはアルバム1枚で人生を表現しているように思いました。

というわけで、ファン歴10年であるぼくが1曲ずつレビューしていきます!

1・Anti Anti overture

1曲目はインストゥルメンタルの楽曲。

曲数が多いこととタイトルから予想はしていたんですが、RADのアルバムの1曲目がインストゥルメンタルなのは今までなかったので意外でした。

曲調は『君の名は。』の「  」のようなもので、異次元の世界に迷い込んで曲の最後で何かが開けたようになり、2曲めに繋がります。

明らかに今までと違う始まり方・・・!

これはすごいアルバムじゃないかと予感させられました。

2.tazuna

あぁ 僕らはどこから こんなとこに来たのかな

間違わぬように 毎日明日に 相談して今日まで来たのに

『tazuna』ってタイトルからRADらしいクセの強いロック曲かと思っていましたがかなりヘビーな曲。

イントロから語りかけるように歌われるフレーズに心を掴まれます。

生きる意味だとか人生について歌った曲かと思いましたが、最終的にあなたといる今を愛おしく感じている歌詞が出てくるので、どちらかというとラブソングなんだと思います。

曲の後半の転調した部分では背筋がゾワッとする感覚を覚えました。

3.NEVER EVER ENDER

昨日までの世界は脱ぎ捨てて いざ僕は大海に旅に出る

こんなチッポケな 頭で描いた未来図や、荷物を

捨ててカバン一つで駆け出した

シンセサイザーの音が鳴り響くイントロが印象的な曲。

これまた今までのRADでは聴いたことのないパターンです。

歌い出しの歌詞に大海って言葉がありますが、ぼくはイントロのメロディから地平線を見つめている情景が思い浮かびました。

今まさに故郷を離れ、新たな一歩踏み出そうとしている、そんなイメージです。

サビの部分だけが英詞なのは『ドリーマーズ・ハイ』を彷彿とさせますね。

ぼくはサビだけ英語っていうのがめちゃくちゃかっこいいなって思ってたので、この曲でそれがまた聴けてテンションが上がりました 笑

4.IKIJIBIKI feat.Taka

ギターの鋭いサウンドで始まるむき出しのロック曲。

RADの曲では珍しくないタイプの曲ですが、なんか今までのものと明らかに違う・・・?

と思っていたらそれもそのはず。

この曲はONE OK ROÇKのボーカル・Takaとのコラボ曲でした。

バンドの音だけが鳴り響くロック曲ですが、コラボということでワンオクに寄せて作っているように感じました。

洋次郎とTakaがハモっているサビは鳥肌モノ。

今のワンオクは英語の歌詞がメインなので、Takaが全部日本語で歌っているのはなんだか新鮮です。

そしてファンに嬉しいのはこの曲のドラムを叩いているのが現在無期限休養中の山口智史さんであること!

『洗脳』のドラムが智史だってことは知ってましたが、この曲もなんですね。

復帰はやはり難しいんでしょうか?またこのドラムを聴いてみたい。。。

5.カタルシスト

2018年フジテレビ系列サッカーテーマ曲としてワールドカップのころはよく耳にした曲。

サッカーテーマ曲のわりにクセの強い曲で最初はあんまり好きになれませんでしたが、聴くたびに魅力を見つけてハマっていって、今では大好きな曲となっています。

勝つか負けるとかじゃないとか

勝ちよりも価値のあるマッチだとか

言いたいこたぁわからねぇでもねーがオイ

勝たなきゃ始まらにゃーなこともあるわけであるのだからさ

つまるところ要するに 今は御託並べずがむしゃらに勝ちに行く時

まさにワールドカップを連想させる歌詞ですね。

「勝ちよりも価値のあるマッチ」っていう陰を踏んだ歌詞が面白い。

今回の日本代表の戦いを見ていると、まさに『カタルシスト』の歌詞そのものだったように思います。

予選最後のポーランド戦は悪く言われがちですが、ぼくは決勝トーナメントで勝つためのがむしゃらな戦い方だったと受け止めています。

6.洗脳(Anti Anti Mix)

『カタルシスト』の流れを引き継ぐようにダークな雰囲気をもつ『洗脳』に続きます。

(Anti Anti Mix)というアルバムバージョンになっていて、ギターとベースのリズムパターンが変わっています。

ドラムは前述したとおり休養中の智史さんが叩いているからかシングルバージョンと同じです。

なあ 俺が病気だって言える根拠なんかあんのかい

別にあんた喜ばすために産まれてきたんじゃない

あんたとてそうでしょう? 臭いものに蓋しよう

信じたいものだけを信じてきたんでしょう?

小と中と高で必死こいて手に入れた 邪見と偏見とうがったその思考

取り払うのにも一苦労 さあ今日からはどうしよう

あぁちくしょう 有象無象 もう騙されやしないぞ

日本は幼稚園から社会人に至るまで「周りと合わせろ」という教育をしていて、周りと違うことをすると無理やりにでも合わせられます。

時には病気のように扱われていじめにあうこともあるでしょう。

洋次郎は小学校時代を海外で過ごしていた帰国子女で、日本人ということで苦労した経験もあるようです。

そんな洋次郎だからこそ分かる常識を押し付けることの違和感があり、それに対する思いをぶつけているのかもしれません。

7.そっけない

またひとつRADのラブソングに名曲が誕生しました。

 なんでそんなに

素っ気ないのさ そっぽ向いてさ 君の方から誘ったくせに

俺じゃないなら早く言ってよ そんなに暇じゃないんだ

ちょっとひどいんじゃない あんまりじゃない

恋がなんだかもうわからないんだ

君が教科書になってくれるかい

「いいよ」って 君が言うなら 暇はいくらでもあるから

彼女のほうが冷めているような素振りを見せている片思いって感じでしょうか?

もしかしたら最初からその気がないのかも。。。

「その気がないなら暇じゃないから早く言ってくれ!」って言うわりに、恋の教科書になってくれるなら暇はいくらでもある。

このふたつのフレーズからは君のことが好きな気持ちがにじみ出てきていますね。

切ないメロディと合わさって曲の主人公の悲しみが表情ごと伝わってきます。

8.<宿題発表〜skit>

学校の先生が授業の前に「お父さんの仕事について直接聞いて作文にしてくる」という宿題を発表して、生徒たちが嫌々ながらも受け入れる様子が描かれたインストゥルメンタルの曲。

時空が歪んだような音が聴こえてきたのち、次の曲に繋がります。

9.PAPARAZZI〜この物語はフィクションです〜

前曲の『<宿題発表〜skit>』がクラスの様子でしたが、この曲で男の子がお父さんに宿題のため仕事について聞いている場面に変わっています。

『PAPARAZZI』というタイトルから想像できるかと思いますが、お父さんの仕事は週刊誌の編集者

最初は男の子とお父さんのやり取りが行われていますが、途中から洋次郎がパパラッチに対する不満を爆発させた歌詞に変わっていきます。

多分この歌詞に書かれていることを思っている人は日本にたくさんいるでしょうね 笑

耳を疑ったのはこの部分。

『君の名は。』の大ヒットが起こるとすかさず出てくるゲスなやつ

ポッと出で出てきたわけじゃねえ こちとらメジャーで10余年

こんな変わり者の俺の言葉を待ってくれてるファンたちと

絆を一つずつ作り上げ 毎度アリーナツアーやってんだ、バカが

それがなんだ?俺のとこなら100歩譲ったとしても

実家の親の家にへばりついて 堂々直撃してきたな

「息子さん、苦節10年 成功してよかったですね

親御さんとしてどうですか」 あんたの親にも聞いたろか

えっ、これはマジなやつか?

こんな話聞いたことないし「〜この物語はフィクションです〜」って副題がついてるし、よく出来た作り話かな?

 恥ずかしくないと言うのなら 隠れず盗まず生きてろや

目を見て話が出来なくて 何が堂々と生きてるだ

曲の中では「誇りをもって仕事している」と言ってるお父さんも最後は作文を書き上げた息子に「作文発表の日は家族旅行に行くから休んでいいぞ」と言います。

誇りをもっているというのは嘘で、こそこそやっている仕事だということですね。

まあこれはフィクションなので実際のパパラッチがどう思っているのかは分かりませんし、真に受けないように←

10.HOÇUSPOÇUS

これまた一味違う感じのロック曲ですね。

別のアーティストですけど、ミスチルのアルバム『Q』を思い出しました。

日本語のほうがちょっと多いかな?くらいの英語との比率で、ぼく的には海外の荒野のような道が思い浮かびました。

どことなく海外を連想させるメロディです。

11.万歳千唱

RADと1000人の18歳が共演する『18祭』で披露されていた曲。

ぼくはNHKでの放送で聴いたときからこの曲が大好きでアルバムで楽しみにしていました。

放送の時は18歳の出演者たちのボディパーカッションや合唱にばかり目がいってしまって気づいてなかったんですが、18歳の誰もが感じる心情をくみとり後押しする歌詞になっています。

笑われたりしないことが 君の生きるゴールなの?

笑われてもビクともしない モノを探していたんでしょ?

イントロからこの歌詞になんだか泣きそうになってしまいました。

ぼくが18歳の時は周りの目ばっかり気にして思ったことを全然言えずにいつも悩んでいました。

当時のぼくにこういうブログを書くのは絶対無理でしょう 笑

 君の中のカナシミを喜ばせて 君の中のクルシミを勝ち誇らせて

なぁどうすんだよ おいどうすんだよ

君の笑顔にさせてやろうぜ 万歳三唱

万歳千唱

普通なら万歳三唱というところを万歳千唱にしているところがなんだかRADらしいと思いました。

このタイトルは喜びは万歳三唱じゃ足りないと思ったから万歳千唱にしたといいます。

よく考えたら1000人と共演してたんだからマジの万歳千唱だったんですね。

今更鳥肌がたってきた 笑

12.I I U

全編英語の歌詞の曲で、タイトルは「アイアイユー」と読みます。

RADにはやっぱり英語の歌詞がよく似合いますね。

ぼくは英語力が皆無なので何を歌っているのかさっぱりですが、なんとなくラブソングのような気がします。

しっとりして落ち着いた気持ちにさせられる曲です。

13.泣き出しそうだよ feat.あいみょん

2曲めのコラボ曲は今人気が高まっているシンガーソングライターのあいみょんとのコラボ曲です。

あいみょんはめちゃくちゃエモい歌詞を書くのでぼくも大好きなアーティスト。

好きな人同士のコラボっていうのはうれしいものです。

4曲目の『IKIJIBIKI』同様コラボするあいみょんに合わせて曲を作っている印象があります。

洋次郎が歌うパート、あいみょんが歌うパートと分かれていますが、どちらが歌っても違和感がありません。

洋次郎の曲でありあいみょんの曲でもある、という感じがします。

雨に打たれちゃ流れちゃいそうな 僕のこの勇気に泣き出しそうだよ

声がかれるまで叫ぶような 真似が出来たなら楽だったのかな

昔好きだった歌が今は 悲しく聞こえてもう泣き出しそうだよ

そろそろ 眠らないと

泣き出しそうっていうか、これはもう泣いてるんじゃないか?

曲は泣き出しそうではなく泣いてしまう歌詞とメロディです 笑

MVもかなり印象的。

最初はゆらゆらくらいだったブランコの揺れは曲が盛り上がるにつれ、感情の揺れ動きを表現するように大きくなっていきます。

14.TIE TONGUE feat.Miyachi, Tabu Zombie

今までのRADで聴いたことのないジャズのようなトランペットが鳴り響くイントロ!

コラボしているTabu Zombie(タブゾンビ)さんは6人組ジャズバンド、SOIL&”PIMP”SESSIONSのトランペッターのようなので、おそらく彼が吹いているでしょう。

 舌ったったったらずの夢を見せて

うざったったったらしい声は無視で

苦笑われるくらいのやつで

いざ共に叶えにいこうかね

「舌ったったったらず」「うざったったったらしい」といった歌詞のひねり方がRADらしい。

ジャズ調の曲ですが特に違和感がないですね。

RAD×ジャズっていうのが他にあっても良さそうです。

15.Mountain Top

日中共同制作映画「空海 ー KU-KAI ー 美しき王妃の謎」の主題歌として書き下ろされた曲。

RADは今までも人生について歌ってきていますが、その中でも特に壮大な世界観の曲でした。

『自分が心から信じる道を進め』

『他人に自らの道を決めさせること勿れ』

かばん一杯に 先人達の教えを詰め込んでも

人生は簡単にいったりはしないようだ

この曲では何千年というレベルから「人が生きる」とはどういうことかを歌っています。

人生には必ず苦しみがやってくるもので、思い通りに生きられればそれが一番ですがそうはなりません。

いいことばっかりじゃないのが人生です。

そう考えると「人生山あり谷あり」という言葉が浮かんできます。

Mountain Topってタイトルはこの言葉とも関係がありそうです。

16.サイハテアイニ

アクエリアスのÇM曲として流れていたこの曲。

RADらしさ満点の王道のロック曲です。

シングルで聴いていたときはストレートな曲だと思っていましたが、このアルバムの16曲目で聴くとシンプルなようで作り込まれた曲に聴こえてきます。

僕にないものばかりで 出来上がった君だから

君の全部がほしくたって いけないことなんて ないでしょう?

ストレートなラブソングのように思いますが、アクエリアスのÇM曲だったことを考えると実は青春時代の熱い思いといったものを表しているようにも思えます。

実はかなり奥深い曲なのかも・・・?

17.正解(18FES.ver)

『万歳千唱』と一緒に18祭で演奏されていた曲。

18FES.verというのは、曲を聴いた感じライブ当日の演奏をそのまま使っているのだと思います。

あぁ 答えがある問いばかりを 教わってきたよ そのせいだろうか

僕達が知りたかったのは いつも正解など大人も知らない

喜びが溢れて止まらない 夜の眠り方

悔しさで滲んだ 心の傷の治し方

傷ついた友の 励まし方

それにしたってどうしてこんな歌詞が書けるんでしょうか。

洋次郎が20代前半だったらまだ分かるんですが、彼はもう33歳。

共演した18歳たちの倍近い年を生きていて学生だったのはかなり前のことです。

それなのに18歳の子たちに涙を流させるような歌詞を書けるのはいつまでも若い感性を失っていないことの証でしょう。

 次の空欄に当てはまる言葉を

書き入れなさい ここでの最後の問い

「君のいない 明日からの日々を

僕は/私は きっと □□□□□□□□□□□□□□□□□□」

制限時間は あなたのこれからの人生

解答用紙は あなたのこれからの人生

曲のタイトルは『正解』ですが、人の人生にこれという正解は存在しません。

人それぞれ人生があるから人によって正解は違ってくるし、どの答えも正解。

あなたはあなたの人生を歩けばいいし、どんな人生でも間違いじゃなく正解。

この曲にはそんなメッセージが込められているんじゃないかと感じました。

すげえなって思うのはこの歌詞。

 「よーい、はじめ」

これが曲の最後の歌詞であり、アルバム最後の歌詞です。

「よーい、はじめ」で終わるアルバムってすごくないですか?

ぼくは身震いする思いで、今まで聴いた音楽のどれとも違う余韻を感じさせられました。

他の人たちの感想

『ANTI ANTI GENERATION』のまとめ

前作の『人間開花』はストレートな曲が多かったですが、今作はよく作り込まれていて聴くほどに良さがにじみ出てくる濃いアルバムでした。

曲数が多くボリュームもあるので、長く聴き続けていくことができるでしょう。

何より今までと全く違う変化をしてくれていたので、RADの今後が楽しみでなりません!

RADの未来を感じさせてくれるオススメできるアルバムです。