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エンタメ

4歳児を主人公にすることの難しさ。細田守「未来のミライ」あらすじと感想

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「未来のミライ」公式サイト

 

こんにちは、富山在住ブロガーのリュウです。7月20日、我らが細田守監督の「未来のミライ」が公開されました。 

 

 

細田守監督はぼくの住む富山県出身の監督です。

「時をかける少女」が口コミで話題になってヒットしたのを皮切りに前作の「バケモノの子」まですべてが右肩上がりでヒット作になっている世界的にも注目される監督です。

 

「未来のミライ」は世界的に見てもクレヨンしんちゃんくらいしかない幼児の男の子を主人公にした挑戦作。

ぼくは「時をかける少女」からの4作はすべて観ている細田守ファンですし、前作から3年ぶりの新作なので楽しみにしていました。

 

 

しかし公開直前にジャパンプレミアなんかで映画を一足早く観た人の感想が出てきましたが、これがもうびっくりするほど評価が低い。

5点満点で平均2点台です。

 

もともと観る予定でいたので、評価が悪かろうが自分の目でしっかり確かめることにして鑑賞してきました。

 

この記事では映画のあらすじと、いいところと悪いところ両方の感想を書いていきます。

ネタバレは若干ありますが、これから観る人にも差し支えない範囲です。

 

 

「未来のミライ」のあらすじ

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。

ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。

“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。

待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。

そして、初めて知る「家族の愛」の形。

さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは? 
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―

それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。

引用 ストーリー |「未来のミライ」公式サイト

 

生まれたばかりの赤ちゃんは何もできず手がかかるため、親は赤ちゃんの世話を見ることが中心になります。

そうなるとどうしてもお兄ちゃん、お姉ちゃんにあたる子どもの相手をする時間が減ってしまいます。

 

赤ちゃんのほうがかわいいとかではないのですが4歳のくんちゃんには分かるわけもなく、「くんちゃんよりミライちゃんのほうがかわいいんだ」と思い込んですっかり拗ねてしまいます。

 

「ミライちゃん好きくないもん!」とミライちゃんの顔で遊んで泣かせたり、そのせいでお母さんに叱られて不満を爆発させて新幹線のおもちゃでミライちゃんの頭を叩いてさらに泣かれて怒られて・・・

 

くんちゃんが駄々をこねて泣きながら家の庭に飛び出すといつもの庭とは違う世界につながり、そこには『かつてこの家の王子だった』と名乗る謎の男が。

この男はくんちゃんの家で飼っている犬が擬人化したものでした。

 

 

その後もくんちゃんはミライちゃんに関することや片付けをしなくて怒られたなどで機嫌を悪くして庭に飛び出すことが何度もあるのですが、そのたびに不思議な世界に繋がって家族と関係のある人たちに出会います。

 

くんちゃんが出会うのは以下の人物

  • 擬人化した犬(ペット)
  • 未来のミライちゃん
  • 子どものころのお母さん
  • 亡くなった曾祖父(青年)
  • 未来のくんちゃん(他のキャラほど絡まない)

 

 

彼らとの出会いを通してくんちゃんは様々なことを体験して少しずつ成長していき、最終的にはミライちゃんのお兄ちゃんであるということを深く自覚します。

これはくんちゃんが過去や未来の家族とのつながりを通して、ミライちゃんのお兄ちゃんとして成長していく物語です。

 

 

「未来のミライ」の感想(いいところ)

子ども時代と子育てをした経験が思い起こされる

ぼく自身は子どもを育てた経験はないし弟や妹もいないのですが、映画を見ていて自分がくんちゃんくらいの子どもだったころのことを思い出しました。

 

 

くんちゃんほど駄々をこねて親を困らせてはいなかったと思いますが、ホームセンターなど自分にとって面白くないところに連れて行かれるとよく「帰りたい!」と泣きわめいていて記憶があります 笑

 

あとはクレヨンしんちゃんやDr.スランプのアニメが大好きだったこと、アラレちゃんの「ティーン!」ってやつをよく真似してたなぁとか、キャッチボールをして遊んでもらったこと、自転車に乗れたときのことなど・・・

色んなことを思い出してうれしいような悲しいような気持ちになりました。

 

 

子どもを育てた経験のある人だったらくんちゃんのお父さんとお母さんに感情移入する場面が多いんじゃないでしょうか。

くんちゃんがわがままを言っている姿を見ると「自分の子もこうだった」と、同じ年の子どもだったころのことを思い返すかもしれません。

 

二人目の子どもが生まれたといっても子育てには悩むことがたくさんあって、この二人も物語の中で親として成長していきます。

ぼくは二人が子育てに苦悩する姿を見て「自分もこうやって育ててもらったのかな」っていう感謝の気持ちがわいてきました。

 

 

この映画について子育てをしていない人には刺さらないかも、という意見がありますがそんなことはないです。

誰だって昔はくんちゃんくらいの子どもだったんだから自分と結びついて懐かしい気持ちになる部分が必ずあります。

 

 

 

誰との別れもない

 今までの細田監督の作品を見てみると物語の中で誰かとの別れがありました。

「サマーウォーズ」「バケモノの子」では死んだキャラがいるし、「時をかける少女」「おおかみ子どもの雨と雪」ではラストで会えなくなったキャラがいます。

 

 

それに対し未来のミライでは誰との別れもありません。

不思議な世界でつながりがなくなった後も現在の世界で犬やお母さん、未来ちゃんとは家族としてくんちゃんと一緒に生きていくので関係が続いていくんですね。

 

そんなわけで悲しい気持ちになる場面は一切なく、温かい気持ちで映画を観ることができます。

 

 

深いテーマを誰にでも分かるように描いている

 

この映画について細田監督はこのように語っています。

 

子供と、その親の子供時代は、時代こそ違えども、
じつはきれいな相似形を成していることに気づく。
あれだけ反発した親と全く同じ言葉を、
親になった自分が子どもに言ってしまっていることにハッとなる。

果てしない子育ての苦労は、実のところ、
自らの子供時代の視点を変えた生き直しなのかもしれない。
親、自分、そしてその子。
時を超え世代を超えて私たちに引き継がれているものとは何か?

繰り返しながら人の一生が連なっているさまは、
永遠に続く生命の営みの、 やはり相似形なのではないだろうか。

 

家一軒と庭一つ、それからどこにでもあるたった一つの家族を通して、
生命の大きな循環、人の生の織り成す巨大なループを描き出したい。
最小のモチーフを用いて、最大のテーマを語り切りたい。
エンターテインメントの作法を用いて、
新しい家族のための、新しい表現を拓きたい。

一見して穏やかに見えて、
実は、大いなる野心を秘めた作品なのです。

引用 監督メッセージ |「未来のミライ」公式サイト

 

 

この物語のテーマは命のリレー。

いくつもの奇跡のようなつながりがあって今の自分が、そして未来の自分がいるんだということです。

 

とまあこういったことをSF的な設定で描いているのですが、物語に複雑なところはありません。

 

時空を超えるという点では「時をかける少女」と似ていますが、未来のミライはずっと分かりやすい内容です。

時空を超えた命のつながり、命の大切さ、家族愛をこれだけ分かりやすい内容で誰も死なせずに描いているのは細田監督の実力のあらわれでしょう。

 

 

「未来のミライ」の感想(悪いところ)

 くんちゃんの成長が感じにくい

ストーリー紹介にはさまざまな冒険を経てささやかな成長を遂げていくと書かれているのですが、くんちゃんの成長していることが感じにくかったです。

 

結局のところ不思議な体験をしたあとも「ミライちゃん好きくないもん!」「お母さんの鬼ババ!」と同じ駄々を繰り返しているし本当に成長しているのか疑問で物足りなかったです。

成長を感じるのは自転車に乗ったときとお兄ちゃんの自覚を持ったところくらいです。

 

5歳の男の子がそんなに急に変化してもおかしいですが、もう少し成長を感じられる場面があってもよかった気がします。

 

 

SF設定について語られない 

くんちゃんは擬人化したペットに会ったり時空を超えるという経験をしますが、どうしてこういうことが起きたのかはまったく語られませんでした。

 

例えるならドラえもんはのび太の未来を変えるためにやってきていますが、その理由が語られず「なんか知らないけど猫型のロボットが未来から来た」みたいになったまま話が終わっています。

 

犬が擬人化していることやどうやって未来から来たのか?ということはSFなんだし考え出すと興ざめするし、テーマもブレそうなので理由を語らなくてもいいです。

ただ「なんでこういうことが起きたの?」という疑問が解消されず「SFだから」という理由だけで片付けられている感じがします。

 

 

大冒険?どこが?

大冒険といっているわりにはくんちゃんはそれほど特殊な世界に行っているわけではありません。

ラストで近未来の東京駅に行くのが一番冒険ですが、これだって冒険というほどのものではありません。

駅で迷子になっている場面が多いですし。

 

 

ぼくは映画公開前から出ている情報を見てミライちゃんと特殊な世界を冒険して、家族愛や絆を知っていく話かと想像していました。

しかしいざ観てみるといつもの家庭内での話が多かったし、ミライちゃんだって頻繁に出て来るわけではありません。

 

それなのに予告映像ではラストのワンシーンだけを切り取って、さも大冒険しているみたいにしています。

あの予告の仕方は失敗なんじゃないかな・・・?

 

 

「未来のミライ」のまとめ

やはり4歳の男の子を主人公にするのは無理があったのかなと感じます。

この作品で描こうとしているテーマは素晴らしいしいいところもたくさんあったのですが、いまいちそれを活かしきれていないのがもったいないです。

 

これが4歳の主人公じゃなかったらまた変わっていたでしょう。

そもそもくんちゃんは主人公としてはちょっと弱いキャラクターです。

 

「くんちゃんの声に違和感がある」という意見が多いですが、ぼくはそんなに気になりませんでした。

こういう意見があるのを知っていたので最初は「ちょっと変かも・・・」と思いましたがすぐに馴染んできました。

多分何も知らない状態で観たらなんとも思わなかったです。

 

 

いいところがあるけれど悪いところもたくさんある。

ぼくの感想としては ”今までの細田監督の作品と比べるといまいち” でした。

 

 

この作品は観る人によって好みが別れる作品だと思います。

細田監督の作品では異質な部類なので、そこを理解して観たほうがいいです。

 

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リュウ
リュウ
月間最高4.4万PVのブログ「World's Endで手を繋ぐ」を運営するブロガー /どこまでも続く一生を世界の果てまで好きな人と共に歩いていく過程を発信(予定)/ 恋愛偏差値は0/ スピッツが大好きでファン歴12年目 / 26歳現在彼女なし / マッチングアプリを中心にした恋活を実況中継