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【歌詞解釈】スピッツ『魔法のコトバ』が深すぎてヤバい。『silent』との関連性も解説

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スピッツファン歴18年のリュウです。

今回はドラマ『silent』で流れたことで、再度注目を集めている、スピッツ『魔法のコトバ』の歌詞解釈です。

スピッツというと『ロビンソン』『チェリー』などのミリオンヒット曲が有名ですが、この曲も人気の高い曲です。

歌詞、メロディともにまさにこれぞスピッツ!と言えるものなのですが、バンド結成19年というキャリアの積み重ねだからこそ生み出せる洗練された曲に仕上がっています。

2006年に発売された曲ですが、もしスピッツがブレイクした94〜95年に発売されていたらミリオンヒットしていてもおかしくないでしょう。

「魔法のコトバ」は声に出すものとは限らない

『 魔法のコトバ』とはどんな言葉のことかについては、いろんな解釈があります。

多いのは「好き」「愛してる」などの自分の気持ちを伝える言葉。

「口にすれば短く だけど効果はすごいものがあるってことで」という歌詞もあるので、やはりこういった言葉のことなんでしょう。

ただぼくは、この曲のタイトルが「言葉」ではなく「コトバ」というカタカナ表記になっていることがかなり気になっています。

リュウ
リュウ
普通に「言葉」でもよかったはずなので、あえてカタカナにしているんじゃないかと思うんです。

ちなみに「言葉」の意味を辞書で調べると、このように書かれています。

音声や文字などにより表され、特定の意味を伝達する手段となる表現および表現の体系のこと。
参照:Webio辞書

もしかしたらコトバっていうのは口で言うことではなく、声に出来ない思いを伝える他の手段のことなのかもしれません。

手段を限定させないために「コトバ」とカタカナ表記にしているんじゃないかなと。

リュウ
リュウ
そう、たとえば手話とか。

学生時代の片思いを連想させる歌詞

『魔法のコトバ』は、どういったことを歌っている曲なんでしょうか?

作詞・作曲の草野マサムネさんは、この曲の歌詞の意味について話しておらず、はっきりしたことは分かりません。

ですが発売当時主題歌となった映画『ハチミツとクローバー』は、登場人物全員が片思いをしている作品です。そのため、片思いの曲だと考えて間違いないでしょう。

あふれそうな気持ち 無理やり隠して

今日もまた 遠くばっかり見ていた

この曲を聴いた当時のぼくが学生だったこともあるでしょうが、この歌詞から授業中の教室で好きな子のことを考えてぼんやりしている様子が思い浮かびました。

その子のことが好きでたまらないんだけど、それを伝えることができなくて好きな気持ちを抑えながら過ごす。誰しも一度は経験があるんじゃないでしょうか?

片思いの曲なのかなと思って聴いていると、こんな歌詞が出てきます。

君と語り合った 下らないアレコレ

抱きしめてどうにか生きてるけど

『どうにか生きている』なんだか不穏な気配を感じます。

どうにかってことは、思い出(下らないアレコレ)を振り返りながらじゃないと生きていけないほどの苦痛を感じていることになります。

ただ片思いをしているだけで『どうにか』ってほどに耐えられない気持ちになるでしょうか?

また会えるよ 約束しなくても

会えるよ 会えるよ

この歌詞から、好きな子とは片思いのまま離れ離れになってしまってもう会うことができなくなっているということが感じ取れます。

今は離れているけど、もう一度会って最後には一緒になれる。

そんなことを信じている、というよりそう信じるしかなくなっているのでしょう。

だけれども曲の最後には『会えるよ 会えるよ』と同じ言葉を2回繰り返しています。

可能性を信じてはいるけど、もう会うことはできないだろうということも感じ取っているのです。

なおこの曲については、好きな子はもう亡くなっているという解釈もあります。

確かにそうならもう会えないし、耐えられない苦しみです。また会えるっていうのは、死後の世界ってことになりますね。

ただぼくとしては曲の中に『君は何してる?』って歌詞があるため、好きな子は死んでいないんじゃないかと思っています。

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「花は根っこも美しいはず」という歌詞のスゴさ

ぼくがこの曲を聴いて1番すごいと思ったのはこの歌詞です。

花は美しく 棘も美しく 根っこも美しいはずさ

花っていうのは好きな相手のことを例えている歌詞です。

歌詞で恋してる子のことを「花」って言ったり欠点なんかを「棘」に例えたりすることは、そんなに珍しくありません。

リュウ
リュウ
しかしスピッツの曲においては「根っこ」という歌詞まで出てきて、ひと味違います。

花が好きな子のことを言っているんだから、根っこというのはパッと見では分からない「人の内面」のことを言っている歌詞です。

表面上はいい人っぽくても、心のなかでどんなこと考えてるかなんて分かるわけないですからね。

もし分かったらエスパーですし、そもそも片思いで悩む必要もないです 笑

ただどんなにきれいな花であっても、土から引き抜いたらドロにまみれていてお世辞にもキレイとはいえません。

人の内面も同じことで、心の奥底まできれいな人間はおとぎ話の中だけ存在します。

誰だって内面はグチャグチャのドロドロで、それを隠していないとまともに生きていくことも出来ません。

そうだと分かっていても、好きな人だったら内面もきれいだって思いたいもの。だからこそ「根っこ(内面)も美しいはず」なんです。

そしてこう考えると・・・

「花」と「根っこ」っていう歌詞は、比喩表現として的確すぎる。

なんてことないシンプルな歌詞のように思えますが、実はとてつもない奥行きがある歌詞です。

これだけのことをこんなに短い歌詞で表現してしまう…マジもんの天才だと思いませんか?

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『魔法のコトバ』のまとめ

『魔法のコトバ』は、スピッツの中でもかなりストレートで分かりやすい歌詞です。

スピッツの歌詞は複雑なものが多いので、この分かりやすさも人気の要因なんじゃないかと思います。

さらにメロディも王道ですし、マサムネさんのハイトーンも心地よい。

結成20周年を翌年に控えていたスピッツのひとつの完成形が『魔法のコトバ』 です。

万人に受ける心地よさとその裏に隠れた奥深さは、キャリアを重ねたスピッツだからこそ作り出せるものです。

発表されるのがもっと早ければミリオンヒットしていてもおかしくないレベルです。

結成20年間近でこんな曲を出して「スピッツはどこまで行くんだろう?」と思わせられる。これだからこのバンドを好きになって良かったと感じます。

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