
ぼくは2006年に実写映画化もされたマンガ「DEATHNOTE」が大好きでした。
当時中学生だったぼくにはトリックが全部理解できていたわけではありませんが、頭脳戦っていうのがものすごくかっこよく感じて夢中になって読んでいました。
ぼくがエグイ話を好むようになったのもデスノートがきっかけです。
デスノートの12巻でニアたちに追い詰められた夜神月(やがみらいと)が自分の思想を語り自分のことを「新世界の神だ」といい、それに対してニアが「あなたはただの人殺しです」「クレイジーな大量殺人犯。ただそれだけの何者でもありません」と言う場面があります。
何もおかしなことを言っていないように思えますが、これってちょっと間違ってるんですよね。
だって神様は人殺しですから。
大量殺人をすると神になれる?
神といってもいろんな対象がありますが、特に多いのは政治家です。
明治神宮なら明治天皇、豊国神社なら豊臣秀吉、日光東照宮なら徳川家康です。
なぜ彼らが神と呼ばれているかというと歴史的に大きな功績を残したからです。
明治天皇は大日本帝国憲法を発布し、豊臣秀吉は初めて日本全国を統一、徳川家康は天下統一を成し遂げました。
その功績が偉大だからとそれぞれの神社で神としてまつられています。
ですがその功績を成し遂げるまでに彼らがおこなったことは戦争です。
戦争なのですから当然人が死んでいます。戦争に勝つためにたくさんの人を殺しているわけです。
あくまで戦争を指揮する立場なので直接何人もの人を殺したわけではありません。
でも直接殺すのも誰かにやらせるのもどっちも人殺しであることは代わりないですよね。。
一人殺しただけで神様と言われるほどの功績は残せません。
つまり神様と言われる人はみんな大量殺人者なんです。
夜神月は神?
ではライトはどうでしょう。
悪質な犯罪者から自分の邪魔をする人まで、DEATHNOTEを使ってものすごい数の人を殺していますよね。
犯罪者がどんどん心臓麻痺で死んでいくことで世間も「誰かが犯罪者を裁いている」と気づき始め、キラと呼ばれる存在になりました。
最初はキラも犯罪者として扱われていましたがだんだん世間の見方が変わってキラ=正義となり、キラを認めるという国も現れました。
最後はニアたちに証拠をつかまれて追い詰められ死神のリュークに見捨てられる形でDEATHNOTEに名前を書かれて死んでしまいますが、もし月が勝負に勝ってニアたちを殺していたらどうなっていたでしょう。
キラが世界的に正義として認められて、神と呼ばれる存在になっていたかもしれません。
ライトがノートを使ったことで戦争はなくなり、世界の犯罪は7割減少していました。
こんなことできる人いないでしょうし、神と言われてもおかしくありません。
でもそうなれたのはデスノートを使ってものすごい数の人を殺したからです。
ニアはライトのことをクレイジーな大量殺人犯以外の何者でもないといいましたが、それが神ということなんです。
ライトが新世界の神になっていたら
最後はライトが負けて新世界を作ることはできなかったですが、新世界が本当にできていたらそれは平和な世界なんでしょうか?
キラがいたころは確かに犯罪は減り戦争もなくなっていたので、まさに平和な世界に向かっているように思えます。
でもそれはキラという絶対的な存在があったからで、実際1年後にはキラがあらわれるまえの世界に戻ったことが最終回で描かれています。
ライトが言うような人として正しい生き方に気づき始めていたわけではないのです。
そもそもキラという絶対的な存在があってそれにみんなが従って、悪(自分にとって都合が悪い)だと判断されれば犯罪者じゃなくても殺される・・・
なんだかライトのいう新世界って某北の国みたいに思えて仕方ありません。
だから本当に新世界ができていてもそれは幸せな世の中じゃないんじゃないかとぼくは思います。
まとめ
人を殺すことで作られる平和では人は幸せになれないんじゃないかと思います。
ですが歴史的に見て平和は誰かを殺すことで成り立っているのも事実。
じゃあ平和って何で、どうなれば幸せなのか?答えは見つかりません。
あなたはどう思いますか?