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富山の吹奏楽団に所属するTuba吹き。音楽を演奏するのも聴くのも好きな「no music no life」な人間。スピッツファン歴は12年。小心者でビビリながらも興味のあることは何でもやってみるタイプ。

川口俊和『この嘘がばれないうちに』あらすじと感想②。幸せを願う気持ちがもたらす小さな奇跡の物語

こんにちは

読書好きブロガーのリュウです。

 

前回に引き続きあらすじと感想を書いていきます。 

 

 

『この嘘がばれないうちに』のあらすじ 

第3話『恋人』 結婚できなかった恋人に会いに行く男の話

この話は今までとは違い、過去から未来に会いに行く話です。

 

フニクリフニクラは『望んだ通りの時間に自由に行くことができる』喫茶店です。

つまり過去だけでなく未来にも行くことが出来ます。

 

ただ未来に行くとなると会いたい相手が行った先でフニクリフニクラに来ていないと会うことが出来ませんが、約束していたとしても電車が遅れるなど思いがけない事態で相手が来ていなくて会えない場合もあります。

 

過去に行く以上にめんどくさく会うことが難しいため、未来に行った人はほとんどいません。

 

この話でキーパーソンである倉田克樹(くらたかつき)は結婚を考えている恋人の森麻美(もりあさみ)に会うために2年後の未来にやってきます。

 

 

倉田と麻美は同じ職場で働いており、倉田のほうが2歳年上ではあるものの同僚なので、お互いに敬語を使うことなく話す関係でした。

 

二人が恋人になるきっかけは麻美が別れた恋人との間にできた子どもを流産したこと。

麻美はもともと流産しやすい体質だったのですが、自分が赤ちゃんを死なせたと罪の意識を感じ苦しんでいました。

 

親や友だちに話すとみんな共感して悲しんでくれるものの、麻美の心が晴れることはありませんでした。

そんなある日、悩んでいることを感じ取った倉田に声をかけられた麻美は初めて男性である倉田に自分の流産のことを話しました。

 

男性である倉田に自分の苦しみは分からないだろうと思いつつも、誰かに聞いて欲しい気持ちから話したのですが、倉田が言ったとある言葉によって麻美がずっと抱えていた罪悪感が一瞬にして消え去りました。

 

そしてこの時から麻美にとって倉田がただの超ポジティブなひとではなくなりました。

 

 

その後二人は恋人になり、倉田は付き合って2年になる麻美との結婚も考えて指輪も用意していました。

 

そんなときに急性骨髄性白血病を発症。

余命半年を言い渡されてしまいました。

 

彼自身は手術して生きることを諦めてはいませんが、自分が死んでしまったときのことを考えて職場の先輩である加賀田二美子(かがたふみこ。 前作第1話で登場)に協力してもらい、未来の世界で麻美に会う計画をたてました。

 

倉田は二美子にふたつの条件を出します。

 

  1. 自分が死んでいない場合は会わない
  2. 自分が死んだ後に麻美が結婚して、幸せになっていたら会わない

 

 

そして約束の当日。

倉田が過去の戻る直前になって、麻美が喫茶店に駆け込んできます。

 

未来の世界で倉田は白血病によって他界していました。

だから麻美にとって倉田に会うのは2年ぶりなのですが、過去から自分に会いに来た倉田にたいして麻美はある嘘をつきます。

 

それは麻美が今も倉田を好きだから、そして自分を救ってくれた倉田の言葉を忘れていないからこその倉田を想っての嘘でした。

 

 

第4話『夫婦』 妻にプレゼントを渡せなかった老刑事の話

とある日のフニクリフニクラでは、数と流が何やら深刻そうに話していました。

数があることで悩んでいて、そのことについて話しているようでした。

 

そこに定年退職した老刑事の万田清(まんだきよし)が店に入ってきます。

ヨレヨレのハンチング帽にトレンチコートといういかにも刑事というような風貌ですが、顔はドラマに出て来るような強面ではなく、どちらかというと人のいいおじさんとった感じです。

 

清は第2話のときにフニクリフニクラにやってきて、数や客としてきていた三田京子に妻にあげるプレゼントは何がいいかを相談していました。

それはフニクリフニクラで過去に戻って、妻に渡すためでした。

 

 

清の妻である公子は、30年前に近所でおきた強盗事件に巻き込まれて亡くなっていました。

そのころ清は刑事を辞めようかと思い悩んでいて、そのことを相談するため「大事な話がある」といって、この喫茶店に呼び出していました。

 

しかし急な仕事が入ったため、清は喫茶店に行くことができませんでした。

公子が事件に巻き込まれたのはその帰り道でした。

 

「自分が約束通り待ち合わせ場所に行っていれば、妻は死ななかったんじゃないか」

清はそんな罪悪感に苦しんでいました。

 

それからしばらくして、清はフニクリフニクラが過去に戻れる喫茶店であることを知ります。

 

 「現実を変えることは出来ないのになぜ過去に行こうと思ったのか?」

 

 それを疑問に思った清は今までに過去に戻った人たちに会いに行って話を聞く中で、自分が抱えていたひとつの間違いに気付かされます。

そして清も過去に戻って妻にプレゼントを渡すことを決めたのでした。

 

過去に戻った先で清は妻から思いもかけない言葉を投げかけられます。

そして清を含む喫茶店で出会った人たちの言葉によって、数が22年間抱えていた苦しみが癒えていきました。

 

 

『この嘘がばれないうちに』の感想 

 

嘘がばれた先にあるもの

続編なので過去に戻って会いに行き、それによって大きな変化がもたらされるという流れは前作と同じです。

 

前作と違う点をひとつあげるとすれば、各話のキーパーソンは大切な人にたいして嘘をついています。

 

現実世界でついている嘘もあれば過去に戻った先でついた嘘もありますが、共通しているのは大切な相手の幸せを想った嘘だということです。

『この嘘がばれないうちに』というタイトルには相手への幸せを願う気持ちが隠れているのだと思います。

 

 

ただ嘘をついている各人物には自分の幸せという大切なものが抜け落ちてしまっています。

それゆえに現実で罪悪感に苛まれて苦しんでいます。

 

しかし相手の幸せを願うのは嘘をつかれた相手も同じです。

4人のついた嘘は結局ばれることとなり、幸せを願う気持ちによって逆に救われていきます。

 

フニクリフニクラでは『過去にいってどんなことをしても現実は変えられない』と言われていますが、これはちょっと違いますね。

 

確かに誰かがなくなっているなどの現実で起こっている結果は変わりません。

しかし過去に行ったことで自分の幸せを考えるようになって目の前の景色が変わり、これから起きる現実が変わっていくのです。

 

 

それで数の苦しみは晴れるのか?

『この嘘がばれないうちに』は短編ごとに見ていくとキーパーソンが毎回変わっているのですが、作品をとおしてみるとウエイトレスの数がキーパーソンの物語となっています。

 

これは過去に戻る席に座っている白いワンピースの女と深く関係があるのですが、数は7歳の時心に大きな傷を負う出来事がありました。

それによって「自分は幸せになってはいけない」という思いを22年間抱え続けていました。

 

数は感情をあまり表に出さないキャラクターとして描かれているのですが、大きな傷となる出来事が起こるまでは、時田ミキのように明るい性格の子どもでした。

そんな数がその出来事以降心を閉ざすようになったのですから、大変なショックだった事が伺えますね。。。

 

7歳から29歳になるまでの22年間消えることのなかった数の苦しみですが、喫茶店で時間を行き来した人たちとの出会いを通して幸せになることを決意していきます。

 

ただ正直なところ数の苦しみは相当なものなので、22年間消えなかった数の苦しみがこれくらいで消えるのか?という疑問は感じました。

これでなくなるなら当の昔になくなっていたのではないかと思えてなりません。

 

4話とも感動できるものなのですが、数の気持ちにはあんまり共感できなかったので最後の最後でちょっと取り残された気分になりました。

 

 

『この嘘がばれないうちに』は前作よりおすすめ

 

基本的な物語の流れは同じですが、各話の独立しているようでつながっている構成や相手の幸せを願う気持ちに溢れているところがよかったので、個人的には前作より面白かったです。

 

映画を観た人やまだこのシリーズを読んでいない人にはこちらをおすすめします。

ぜひ読んでみてください!

 

 

 

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