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富山の吹奏楽団に所属するTuba吹き。音楽を演奏するのも聴くのも好きな「no music no life」な人間。スピッツファン歴は12年。小心者でビビリながらも興味のあることは何でもやってみるタイプ。

歴史小説がこんなに面白いなんて!和田竜「のぼうの城」のあらすじと感想②

 前回は「のぼうの城」のあらすじでした。

この記事では読んでみての感想を書いていきます。

 

 

「のぼうの城」の感想

キャラクターが最高

10倍という圧倒的な兵力差に挑むというこの小説の設定は読者をワクワクさせる展開だし、ぼくはこれと”和田竜の作品”ということでこの小説を選んで読みました。

ただこの設定は特殊なものではないし割りとよくある王道の展開です。

 

ぼくが夢中で読んでしまったのはなんでなのか考えてみると、キャラクターがどいつもこいつも魅力的だったことに他ならないでしょう。

 

 

長親を支える家老である正木丹波(まさきたんば)・柴崎和泉(しばさきいずみの)・酒巻靱負(さかまきゆきえ)の3人や氏長の娘である甲斐姫(かいひめ)といった成田家の人物はもちろんのこと、敵である石田三成や大谷吉継、さらには領民までもが一癖も二癖もあるキャラクターで最高。

 

でもやはり一番は主人公である長親ですね。

「のぼう様」と呼ばれているもののバカにしているわけではなくみんな長親のことが好きであり、物語後半では敵側の兵まで魅了してしまうほどに人に好かれた男でした。

実際にいた場合ここまで好かれはしないでしょうが、長親がみんなに好かれていたのは分かる気がします。

 

なんというか可愛げがあるのです。

ぼくは読んでいて「友だちになりたい・・・」と思ってしまいました 笑

 

 

"でくのぼう"が”名将”に化ける

のぼう様と呼ばれても平然としているほどのんびりしていて、父親である泰親にも見限られているところがあった長親。

 

彼が総大将となって石田三成の軍勢と2度戦うのですが、初陣に成田家が勝利したのは丹波をはじめとした3人の家老がそれぞれ策を練ってうまく戦ったからであり、長親は特に何もしていませんでした。

 

ただ2度目の攻めに関しては丹波たちも打つ手がなくなっている中で長親だけが打つ手があるとし、突拍子もない作戦に出ます。

この作戦こそが危機的な状況を打開することになり、誰も知ることのなかった長親に潜む名将としての才覚が発揮された瞬間でした。

しかもこの作戦の裏にあった長親の意図がなんともたまらなくかっこいい。

 

最後の最後、長親は”でくのぼう”ではなく”名将”に姿を変えていました。

 

 

漫画的?事実と異なる?だから何だ

ぼくは今まで歴史小説は読みきることなく挫折してしまっているんですが、その最大の要因は物語がイメージできなかったことです。

 

漫画と違って絵がない小説では文章から物語の光景をイメージすることになります。

自分でイメージすることが小説の面白さだと思っているんですが、歴史小説は話が全然理解できず物語をイメージすることがぼくには出来ませんでした。

 

ですが「のぼうの城」は違います。

物語は分かりやすくスッと頭に入ってくるし、石田三成の軍との戦闘シーンなんかもすべての場面が鮮明にイメージできました。

物語にスピード感があるのでまったくダレることなく最後まで引き付けられたまま読まされてしまいました。

 

 

忍城での戦いは実際にあったものですしこの小説はその事実をもとに作られていますが、いくつか和田竜による脚色が加えられています。

たとえば長親は”でくのぼう”とされていますが、実際の歴史上にはこんな事実はなかったようです。

 

ただこういう脚色があると「事実と違うじゃないか!」と文句をいう人が一部にはいるようです。

またイメージがしやすいことを指しているのだと思いますが、和田竜の作風が「漫画的」だとして批判的な意見もあります。

 

 

でもそれがなんだというのでしょう?

「バクマン。」っていう漫画家を目指す漫画の中で『漫画は面白ければいいんだ。面白いものは連載される。当たり前だ』というセリフがありました

(うろ覚えなので正確にはちょっと違うかも)

 

小説だって同じことです。

漫画的だろうがラノベっぽかろうが作者に失言が多かろうが、小説が面白ければそれでいいんです。

 

 

和田竜の作品は歴史小説とは思えないほど読みやすく多くの人を引き付けています。

売れる作品にはちゃんとした理由があることが「のぼうの城」からはっきり分かるでしょう。

 

 

 

「のぼうの城」まとめ

 久しぶりに夢中になって読むことができる小説でした。

ここまで面白いとなると和田竜の他の作品も読んでみたくなります。

また読みたい小説が増えた。。。

 

ぼくはこの小説ですっかり和田竜ファンになってしまったので、あなたもぜひ和田竜の面白さを味わってみてください!