こんにちは、リュウです。
昨日の記事の続きで、スピッツの異常なまでの時代性のなさについてです。
常に流行からちょっとだけずれている
どうして20年前の曲が主題歌として使われるのか?
その理由はスピッツの曲が、常に流行からちょっとずれていることにあります。
スピッツが「ロビンソン」でブレイクしたのは1994年。
当時はやや頭打ちになっていたとはいえ、小室哲哉の曲がヒットを連発していたころです。
小室哲哉の曲はどれも打ち込みで作られていて音がいくつもつまった厚みのある音楽です。
それに対しスピッツのロビンソンはものすごくあっさりしていて、流行りからは明らかに外れています。
最近のバンドの曲も音の数が多かったり一曲の中で複雑に変化する構成やいろんな楽器を使っていることが多いですが、スピッツはバンドサウンドのみで勝負していますし曲の構成もとくに凝っていません。
スピッツはもう20年以上売れ続けていますが、売れ線の音楽ではないです。
時代性がないのが武器
スピッツは別に狙って周りと違う音楽をしているわけではなく、単純に自分たちが好きな・いいと思う曲を歌った結果が周りと違う音楽になっています。
そしてメンバー自身もデビューしてからずっと自分たちの曲は時代に合っていないと感じています。
ミリオンヒットを記録し音楽の教科書に載るまでになった「空も飛べるはず」ができたころのことをボーカル・草野マサムネさんは本の中でこう語っています。
その頃、チャートに入っていた曲は、もっと音が詰まった、キンキンしてたり、シャカシャカしたりするような派手なアレンジのものが多かった。
(中略)たしかに「いつの時代の曲だよ」とツッコミを入れたくなる。でも、この音がスピッツの音だ。そう思うと気持ちよかった。
自分たちの音は時代と合っていないと思っていたけれど、「空も飛べるはず」ができた頃には、時代性がないのが俺らの武器なのかなと思えるようになっていた。
時代性がないというのはマイナス面のように思えますが、これこそがスピッツの最大の武器です。
スピッツはもはや国民的バンドの域にいますが、ミリオンヒットを出したころを除けば爆発的に売れていたわけではありません。
一番売れていたときでさえ、音楽シーンの最前線を進んでいるという感じではありませんでした、
ヒットを連発するというより細く長く売れ続けてきたバンドです。
スピッツの曲はどの時代でも一定した人気がある音楽です。
今回ドラマ主題歌になるスターゲイザーだって14年前の曲だといわれても「そんな昔?」と思うほど今の曲と比べても古さを感じません。
仮に20年前のアルバムを今新曲として発売したとしても違和感はないでしょう。
スピッツの曲はいつの時代の流行からも外れない適応力があり、だからこそ今の曲だけでなく過去の曲も評価され続け、20年以上売れ続けることができています。