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2つの吹奏楽団に所属するTuba吹き。富山県在住。音楽を演奏するのも聴くのも好きな「no music no life」な人間。スピッツファン歴は12年。小心者でビビリながらも興味のあることは何でもやってみるタイプ。

川村元気「億男」感想。ぼくたちは一生お金という化け物から逃れられない

お金があっても幸せじゃない。

そんなこともうみんな知ってますし、あなたもそうですよね?

 

お金はぼくたちが生きていくうえでかかせないものです。

お金がまったくなかったらぼくたちは命そのものをおびやかされるし、常にお金に支配されお金によって生かされています。

 

じゃあお金があれば幸せになれるかと思えば、どうもそうではなさそう。

うーん、困った。

いったいお金と幸せってどういうもの?

 

その答えを求めてこの本を読みました。

 

 

川村元気さんの2冊目の小説で、120名もの億万長者の方に取材をして書かれました。

お金と幸せの答えを億万長者のリアルな言葉から考えることができます。

 

 「億男」あらすじ

物語の主人公は一男(かずお)。

彼には妻の万佐子(まさこ)と一人娘のまどかと暮らしていましたが、ある日弟が3000万もの借金を残して失踪。

一男は兄として自分が借金を返すことにしました。

 

その後夫婦の中は悪くなっていって別居。

一男は昼は図書館司書、夜はパン工場で働いて月40万ほどの収入を借金返済にあてていました。

 

そんなある日くじ引きの4等で手に入れた宝くじ10枚のなかの1枚が当選。

3億円もの大金を手に入れてしまいます。

 

 

突然3億を手にしてどうすればいいか分からなくなった一男は、大学時代の親友で現在は億万長者になっている九十九(つぐも)を15年ぶりにたずねます。

しかし翌日、九十九は3億円をもって姿を消してしまいます。

 

かつての親友がお金をもっていなくなったことが信じられず動揺しながらも行方を求めて、かつて九十九と一緒に仕事をしていた3人の人物に会いに行きます。

3人の億万長者の話を聞きながら一男は自分なりのお金と幸せの答えを見つけていきます。

 

一男が見つけるお金と幸せの答えとは?

そしてすでに大金を持っている九十九が、3億円をもって失踪した理由は? 

 

みんなお金のことを知ろうとしない 

 「つまるところ、君はお金が好きじゃないんだ。

だって、自分の体重や、家族の好きな食べ物や、好きな女性の誕生日は気にしているのに、毎日触れているお金の大きさや重さを、君は知ろうともしていない。

本当に興味があれば、お金の全てを知ろうとするはずなんだ。」 

 

お金はぼくたちの生活に直結するものであり、生きることと大きく関係するものです。

お金がないことは最悪の場合、死につながります。

 

それほど重要なものであるにも関わらず、ほとんどの人はお金のことを知ろうとしません。

「お金は汚いもの」「金持ちなんてみんな卑怯」

そんなふうに脳に刷り込まれていった結果、お金のことを考えないようになっていきました。

 

お金がない!」となげく反面、本当はお金が嫌いで今以上のお金を手に入れたいとは思っていません。

お金がないという現実は自分で作り上げているものです。

 

お金が嫌いな人がお金持ちになることは絶対にありません。

「おれ、お金大っ嫌いなんだよね~」なんていうお金持ちがいると思いますか?

お金持ちはみんなお金が大好き。

この気持ちは汚いことなんかではありません。

 

お金は信用を形にしたもの

「クレジットカードの、クレジットの意味を知っているかい?

知らない?すぐに辞書を引いたほうがいい。

クレジットは「信用」だよ。

あれはお金のカードじゃない。

信用のカードなんだ。

お金の実体は、信用なんだよ」

 

昔は物々交換が主流でしたが、ほしいものを持っている人を見つけるのが大変だし保存がきかないものは無駄になります。

そこで物の変わりになる”価値”のあるものを作って交換の道具にしました。

 

お金が生まれるまでは物の交換をするにも取引が成立するまで不安がなくなりませんでしたが、お金によってはじめて会う人同士でも信頼しあえるようになりました。

つまりお金は信用そのものなんです。 

 

それは現在でも変わっていません。

そもそもお金は国が発行しているものであり、国に対する信用によって成り立っています。

ぼくたちが国のことを信用していなければお金に価値は生まれず、ただの紙切れ・金属になります。 

 

現代ではお金=信用ということがはっきりした形をもつようになりました。

キングコング・西野さんの絵本「えんとつ町のプペル」は、クラウドファンティングという信用をお金に変えるシステムで作られ記録的なヒットを記録しました。

お金が信用を生んでいたのが逆転して、信用がお金を生むようになりました。

 

こういった信用をお金に変える動きは増えていっています。

ぶっちゃけお金の価値ってどんどんなくなっていくんじゃ?

 

「お金がなくても幸せになれる」はウソだ

この本を読んでも残念ながらお金と幸せの答えは分からないままでした。

ただ、あまり取りあげられないお金持ちの苦しみの部分に注目しているため、お金についていろいろ考えさせられました。

お金があっても満たされないどころか、本当に欲しいものが何なのか分からなくなるようです。

 

ぼくがこの本を読んで考えたお金と幸せの答えはこうです。

「お金はあってもなくても人を苦しめる。でもお金がないのは間違いなく不幸」

 

 

ぼくはホームレスの人を見かけたことがなんどもありますが、とても幸せそうには見えません。

お金がなくてホームレスになっているからではなく、生きることにたいする意欲を感じないからです。

 

 

「あなたは真面目過ぎたのかもしれない。

借金生活の間、昼も夜もお金のことばかりを考え続けているうちに、お金があなたの中に住み着いて、生きるための欲を奪っていったのよ」

 

一男の妻、万佐子のセリフです。

 

人には必ず欲があります。

あれがほしい、これがほしい、こんなことをしたい・・・

そういった欲が少しずつ満たされてまた別の欲が生まれる。

欲があるからこそ人は喜びを感じることができるので、生きるうえで欲は必要なものです。

 

しかし衣食住がままならないほどだとお金のことしか考えられません。

お金以外の欲がなくなり、お金のためだけに生きるようになります。

「お金がなくても幸せになれる」って言いますけどこれはウソですね。

 

お金は信用を形にしたものですが、いつのまにかお金自体が大きな力を持つようになりました。

お金の影響力は絶大で、ぼくたちは一生お金に苦しめられ続けます。

 

小説の中に喜劇王チャップリンのこんな言葉がありました。

 

「人生に必要なもの。

それは勇気と想像力と、ほんの少しのお金さ」

 

 

もうこれがすべてです。

 

お金があっても満たされないし、お金がなかったら生きるための欲が奪われる。

だから余裕をもって生活できるだけのお金があり、「もうちょっとお金があったらなあ」って思うくらいが一番幸せです。

 

まとめ

著者である川村さんがインタビューでこのように語っていました。

 

人間にコントロールできないものは「死」と「恋愛」と「お金」ですが、人間が発明したのはお金だけで、あとは本能的なものです。

だからこそお金に支配されてはいけないし、自分の中で「ありとあらゆる幸せの形を考えた上でこういうチョイスをしているんだ」という風に、お金と向き合うほうが人生を楽しめるんだと思います。

 

引用 http://media.yucasee.jp/posts/index/14677/3

 

 

お金からは決して逃れられないのでしっかり向き合うことが必要です。

まずはお金のことを知ることからはじめましょう。